第47話・妖精竜シリーズ

 転移門を使い、妖精の村へ移動。ここからドワーフ集落へと移動して、スキルである【錬金鍛冶スキル】を手に入れるクエストをこなす。


 こうして手に入れたあとは、レベリングも兼ねて回りのボスモンスター退治を目指した。スキルのレベル上げで各種の魔法を使用して繰り返して、シズクとレヴィ、レントのレベル上げ。


 シズクが第1進化可能になり、ラッキーブルーバードというユニーク進化した。幸運値を上げる魔法などを覚えて、少し大きく、綺麗な蒼い鳥になってくれた。


「ノート、いまいい?」


「いいよ黒猫。どうしたんだい?」


「ノートにお礼として、景品の品物を渡そうと思って。農業の交換リストからポイント高めの物をもらったの」


 その名も『邪黒樹の苗木』というものであり、邪黒樹という樹を育てるらしい。


 聖属性が多い私の畑だが、新しい場所を取ろうとしているからいいものだろう。感謝しながら受け取り、貯まったお金を使って、妖狐の里で家を買う。


「かなり大きい和式の建物だ」


「庭広めで鍛冶可能の土地を選んだんだ。ここなら苗木も植えられる」


「そうそう。これでスキルのレベリングして色々作ろうと思ってるんだ」


 交換したリストから色々と強化できるからね。魔導鍛冶場をセットして、ここから一通りのエリアボスの装備を作る。性能を上げるため、色々計算して考えて鍛える。この辺りは少しは分かるようになってきた。【鑑定:鍛冶スキル】というのが習得された。


 効率の良い、効果の高い装備を作る中、レベリングのために低くても良いから色々作るため、しばらくは工房に籠る。


 その間、黒猫達『宝石箱』や他プレイヤーは別のフィールドを開拓を始めていた。沼地から先に砂漠があり、海と接しているところに砂漠都市があると知り、そこを目指す。


 森林エリアも集落エリアから先にエルフの都市があると知り、そこを目指しているようだ。町が現れると、町から色々とクエストを見つけて、新たなスキルや情報を習得できるだろう。


 自分はそれを助けられるように、性能の良い装備を作ることにした。レアアクセサリーが時々できる。


 リファと共に作り、性能がかなり良い装飾品は『宝石箱』が手にすることが多いが、流れるときがある。その時はオークションみたいに一定の時間まで値段を重ねて行って購入するらしい。ガチ勢のクランとかが、店に張り付き、値段合戦を繰り広げているようだ。


「そうなると妖精の宝石系はかなり必要だな」


 その話をメールで確認する自分。いまのところ、妖精の宝石はリファしか作れない。そして自分の関係スキルが上がると、品質と生産率が上がっているようだ。


 だが基本はリファの自由だ。無理やり作らせるのはダメ。というわけでゲーム内で一日一個あれば良い方だ。そうしているとメリュジーヌが研磨しているときがある。


 そして………


「ぎゅー」


「おや? メリュジーヌ?」


 綺麗な宝石を嬉しそうに抱きしめ、自分に渡してきた。できたのは『竜のガーネット』。竜種も作ると特別な宝石にできるようだ。


「凄いね!」


「ぎゅうー」


 嬉しそうにしてまた宝石の原石を持って、研磨し出すメリュジーヌ。メリュジーヌは研磨にハマったようだ。


 いくつか『竜の』がついた宝石が出来上がり、それを加工するとかなり性能の良い装飾品ができた。妖精と繋ぎ合わせて、綺麗な耳飾りを作ることに成功した。少しやばい。


 名前は『妖精竜サファイアの耳飾り』。特殊効果はレギオン個体+1にサーヴァント強化1という品物であり、竜種のブレス軽減(中)、ハウル軽減(大)。水・氷耐性、水・氷魔法強化。自然MP回復量上昇(小)に詠唱短縮(中)だ。


 性能がかなり盛られている。これにステータスで魔法耐性と強化のステータス強化が少々ある。それも少ない割にかなりあるため、これは欲しいものだ。


「ぐわっ、これはノートの物。ノートの物」


 黒猫が逸品見せて欲しいということで見せたら、いまの市場的に最高品質なのは間違いないらしい。


 注目するのはブレス軽減とハウル軽減だ。ハウルは大型モンスターなどの雄叫びで行動を止めたりするため、軽減系は人気だ。


 ブレスに関しては未知数だが、竜種のブレスなんて必殺に近い攻撃だ。あって損はない一品だろうと判断。


 買うための資金も無いし、これは自分が使うと良いと言ってくれたため、これで強化は4段階。6段階強化になるとサーヴァントはより能力が増すらしいから助かる。


「作りまくった装備品はどうだい?」


「ノートの場合、目玉は特殊効果能力だからね。どれだけ付いてて、素のスペックが高いかで値段が変わる」


 黒猫が時々ハイテンションになる品物を見つけては、いくつか買い取りたいと願い出る。ドロップ品を渡しているので割引はしておく。ボスモンスター素材はほとんど黒猫だからね。黒猫が持って来たの使ってるんだから、黒猫が先に選ぶ権利があるし、タダでも良いくらいだ。


 少し貯め込んで渡されたため、ほどほどのアクセをタダでもらい、残りは金銭でトレードする。残りは仕方ないから『宝石箱』と傭兵クランの方、そして一般人だ。


 ただ一般人にも良い物を売りに出した方が良い為、あえて残す品物はある。特に二つ目の妖精竜シリーズの装備品だ。


「この両手杖であるステッキ凄いですね」


「火属性と爆属性、雷属性特化のハイマジックアタック専門の杖です」


「MP消費えぐいですけど、確実に出る高魔法の威力の保証はあります! 詠唱短縮も(大)ですし、廃人ガチ勢は連発ビルド組みそう」


 そう『宝石箱』のメンバーや傭兵クランの人達がいう。妖精竜シリーズはかなり目玉になる。分かっているのは属性特化の品物だ。


 無属性もあるが、基本属性を持つのを強化するのが宝石系の竜と妖精の加護らしい。その他のステータスを上げるのも強い。


「また掲示板でオオエドのスペックで欲しいが流行る」


「黒猫がいうなら、やっぱりそこか」


 まあフルログインはできるときの方が良い。自分はよく時間割いてくれているとクランの人達は言っているので、無理してスキルレベリングはしない。そもそも学生でフルログインはきついからね。


 黒猫も学生としてはかなりログイン時間は長いが、廃人勢はそれを超えているらしい。この人達にログイン時間で勝てる気はしないから、いまの調子でいいんだろう。

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