第5章:雪山発展

第46話・雪山の町へ

 手に入れた工房をセットするのは少し待って、厳選をしている。できれば黒猫クラスが喜ぶのをいくつか用意しておきたい。ゲームしているとガチ勢が喜ぶ装備作るのも嬉しいものがある。喜ばれるからね。


 また自分ではこれくらいの数値が最大だろうと思うけど、黒猫判定ではもう少し性能を目指してほしいとのこと。そういうのが多い。結構わがままだよ。


 まあこれだって装備を作ると喜んで買われたりするので楽しいは楽しい。掲示板でも噂になってるから。


「はーい。というわけで、皆さんこんにちは。ガーネットです。今日は友人達を引き連れて、雪山に隠しエリアボスがいないかの探索です!」


 配信に交じって今日はガーネット達と組んでいる。ここでのモンスターはレヴィ連れてるだけ。他は『宝石箱』の人と組んで参加。


「それじゃ、今日のメンバーに加えて、この人達も連れて行きます」


「どうも。妖精使い、宝石箱のお抱え鍛冶師ことノートです。男の自分が参加していいか少し不安」


「黒猫、とりあえず配信外でソロ討伐します」


「むしろボスレシピ獲得して厳選してもらうから、問題視する人はいないわよ」


 そう言われながら、コメントの方も気にするなとか、厳選武器たくさん卸してとかが多いな。やはり新作の武器が欲しいらしい。


 現在の鍛冶師事情として【錬金鍛冶】こと合金はネットが色々配合交換がされている。纏めサイト担当の人がいるらしく、頑張って情報を纏めているようだ。これにより、最強の武器スペック探しが進んでいるから、新素材のデータは貴重扱い。お金に変わる。配信者クランである『宝石箱』はこれも使い、視聴者を増やすのが目的である。こうしてある程度調べ終えたところ、水蛇のエリアボスと出会い、戦闘開始。


「あーくそっ!今度も雷弱点じゃん!」


「レヴィ突貫します!」


「よろしく!ハヤテ、リファ、短剣よろしく!」


「黒猫!火魔法での援護は任せて!」


「あいあいさー!」


 雷特化の装備をして、黒猫が突撃する。氷のように冷たい水辺があるため、足場が不安定だ。だが基本動かないメンバーであり、魔法でノックバックして援護して、黒猫が戦いやすいように動く。


 黒猫も厳選したらしい【浮遊する短剣】を使用。固定でちまちまとダメージを稼ぐ。その中で一撃はかなり重いレヴィの攻撃が確実に削っていく。


 てこずることはなく、水蛇を倒すことができた。現れた素材を中級鑑定しながら、これは周回した方が良いかもしれない。


「氷属性の素材だね。水と氷属性と相性がいいみたい」


「ですね。これローブに合いそうです」


 水魔法使いヒーラー『アクアマリン』。彼女的に見栄えが良い装備品が欲しいとリクエストもらった。これは周回しなければいけないから、聖女騎士団の件が終わったら厳選だね。特殊効果を期待されているから、できる限り効果持ちのを作ろう。


「杖も強化して正解ね。火耐性があったっぽいけど、ダメージリソースはまあまあ出てたわ」


「装備品は基本、杖と剣類はノートさん頼みになりそうです」


「そうですね。おっ、パーティ討伐はスロットオーブか。そろそろ魔法スロット開けるか」


「召喚魔法はスロット開けは必須」


 いまのところ、スロットオーブは交換リストでも高いからね。ドロップ品は………おっ!


「レアなの来た。スキルスクロール」


「レア来たーーーーー!」


「内容は【氷魔法スキル】だ。これは欲しいぞ」


「それはノートが使ってくれ、装備強化に役に立つ!」


 満場一致で自分が使い、これで後は魔法を使ってスキル上げだね。いったん強化付与以外にも魔法を使ってスキルレベリングした方が良いかも。これも予定に入れておこう。


 新たなエリアへ行く方向が分かり、そちらに向かうと廃村がある。遺跡のようなところで、町の人はいた。


「あなたたちは?」


「私達は『妖狐族』の生き残りです。この地にいったいなにをしに? ここにはもはや生きるのも精一杯ですよ?」


 キツネの獣人ではない存在に驚きながら、開拓者の説明をする。それを聞いてこの地を拓くことは構わないが無理だと説明する。


「この地は凍土の世界。この地に安息の地を作るには、妖火が必要だった。だが祭壇が壊れ、妖火の欠片は奥に住まう者達に奪われて、もはや滅びを待つだけだ」


「祭壇ですか?調べてもよろしいでしょうか?」


「別に構わない。すでに火が消え、なにもできないからな」


 というわけで祭壇を確認してみる。すると【中級古代語スキル】で暗号文になっている、レシピがあった。そしてそれは、作れると判定を見て話し合う。


「素材は出し合えばあるか?」


「問題ありません。クラフトしますか?」


「頼む」


 作られたかがり火の台座、それが光り輝いた瞬間、寒さが消え、暖かいフィールドが広がった。それに驚き、村人達が出てくる。結構いるな。


 それからは村人達の頼まれて、他の台座を直してほしいと頼まれた。エリアボスのいる三つのエリアも公開され、アナウンスで新種族【妖狐】が解放された。


「おー新種族か、このまま進めれば種族変化もできるかもしれない」


「他にもあるかな?」


「しばらくここを拠点にするか」


 そういう話し合いをしながら、こちらは聖女騎士団の人と連絡を取りつつ、厳選に入る。黒猫が水蛇をソロ討伐。当たりのアクセサリーが手に入り、ドロップ品としても狙うことも考えて、周回をする予定である。せっかくだから拠点をここで買うか。次はホーム購入を考えてみることにした。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る