第43話・第2イベント:最終日

 村の様子が気になってしまうため、自分は基本ダンジョン探索に行かないときがあるが、やはり素材とか気になって向かう。レベル上げもあるしね。


 戦闘に苦手意識を持つメリュジーヌは置いていき、シズク、レヴィを連れて行く。たまに戦闘の仕方を教えるため、ケットシーやコボルトを連れて行く。


 そうして時間を過ごしていると、最終日になにか起きる可能性があるらしく、準備をしておいた方が良いらしい。トップ勢の勘だから気を付けておかないと。


「コボルト君はっと」


 辺りを確認すると、コボルト君が困った顔をしている。どうもグレーウルフというモンスターに懐かれたらしい。


「テイムしてみるかい?」


「できるでしょうか?」


 確かにできるか分からないが、やってみて損は無いだろう。試したところテイムモンスターのアイコンに変化したから、テイムできたようだ。


「ふむ」


 今度テイムモンスターができるか試してみようか。新しい仲間に喜ぶ村人妖精にそう言って、いったん引き返すことに。しばらくして従魔を増やす妖精村の住人。家とか作らないといけないな。伐採した木材を使用して、建物を増やしておく。


 そんな日々を過ごしていると、黒猫が各ダンジョンのエリアボスを倒して戻って来た。お土産として素材が持ち込まれる。


 また倒してレシピを獲得しないとな。黒猫から各集落が神様の恩恵を持つアイテムを手に入れたことを教えられ、そろそろ最終日だ。


「薬とかの用意しないと」


「ここに残す分もないとね」


 すでに村として機能している妖精村。今後も考えて動くようにしている。他のところも同じ考えのようで、村の代表や管理をやらせている。


 妖精村にはレントと同じ神樹の精霊がいる。その子はレントから色々話を聞いたり、物を作ったりしている。支える人達もいるから大丈夫だろう。最終日に備えて、時間を過ごした。


 ◇◆◇◆◇


 最終日、村人達が慌てている。村を滅ぼした魔物が現れた日に似ていると言って、怯えていると黒い柱が湖の方から立ち上る。


 どうも元々神樹があった場所からモンスターが出現したらしく、倒すため、トップ勢が向かっていった。そして村の方では、黒いオーラを纏うモンスター達が襲い掛かって来た。


「攻撃開始!」


 現れたモンスター達に、我々妖精村は立ち向かう。


 ケットシーやコボルトが銃を持ち狙撃をしながら、武器を持って善戦する。妖精達の魔法攻撃が放たれながら、連携を大事にしてドラを叩き、合図を送りさまざまな魔法が放たれて白熱する中、私達もまた戦っていた。


「吹き飛ばします!」


 レヴィのパイルバンカーが炸裂して、ゴーレム系モンスターを吹き飛ばし、ウルフ系モンスターが追い打ちをかける。


 グリモワールは以外にも指揮しながら魔法の指示を出して戦い、空を飛ぶシズクは空からの報告などをしてくれた。プレイヤー達もここを守るために善戦。


「動物愛護会として決して見過ごせません!ここから先は通しませんよ!」


 そう言ってテイムモンスターと共に戦場へと向かうプレイヤー達。さまざまなモンスターが入り乱れるが、司令塔になる人がしっかりしている。誤爆などのことは起きず、何とか戦えていた。


「魔法攻撃!【ファイヤジャベリン】!」


「「「【ファイヤジャベリン】ッ!!」」」


 死に戻ってくる人達から詳しい話を聞く。かなり大きいモンスターが現れて、現在交戦中らしい。時間がかかるらしい。なんとか持ちこたえないといけないな。


「向こうは黒猫達がいる。ここさえ守り抜けばこちらの勝ちだ」


「はい!」


 神樹の精霊にそう言い、できることを教える。回復魔法、薬を作ること。鼓舞することで強くなるリファ達もいる。妖精達の演奏を聞き、攻撃バフを受けて戦う。


 そうしていると、メリュジーヌが前に出た。


「ぴっぎゃーーーーーーッ!」


 氷のブレスを吐きだして、敵の一団を凍らせた。その隙を見逃すわけにはいかないな。すぐに雷魔法攻撃を放ち砕いて倒す。


「よくやったメリュジーヌ!」


「ぴぎゅ!」


 こうして戦い続けていると、光の柱が立ち上る。それと同時に黒いオーラを失い、モンスター達が引き上げていく。


「よくやった!こちらの勝利だ!」


「「「おおーーーーーーーッ!!」」」


 勝どきを上げ、ついに勝利する妖精村。


「すぐに他の村に早馬を出してくれ、他の村の様子も気になる。それとこの村の被害報告をまとめてくれ」


「はい!」


 指揮しながら、ふうっと一息つく。


 ………なんで自分が指揮官してるんだろうか?


 まあいいか。ともかくイベントはこれで終わりだろう。ポイントはどうなるか分からないが、楽しみだ。


「勝利したプレイヤー達を招く準備もしろ。今日は宴会だ」


「「「おおーーーーッ!!」」」


 こうして無事にイベントを終えることはできた。よかったよかった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る