第42話・第2イベント:集落が村になる

 他のプレイヤーがダンジョンなどの探索をして、生産職は素材から作れる物を作り、住人に物作りを教える。いまのところいい感じであり、襲撃イベントが発生。暗闇を纏うモンスターが開拓地へと向かって来るが、こちらもただではやられない。


 ケットシーはアサルトライフルを構えて撃ち、コボルト達は魔法を放つ。妖精達の魔法攻撃と共に、プレイヤーのよる近接戦闘が始まり、問題なく解決している。


 アサルトライフルが良い感じなのはよかった。ケットシー達がうまく扱えるようだ。精錬インゴットの作り方や、ボルトなどの素材作りを学び、銃を作る。自分もレベルが上がり、だいぶ性能の良い物を作れるようになってきた。


 少しだけ自分の権限を使い、性能の良い物を村人に流すことにした。争いを生まず、かつ全体に利益になるからと、黒猫を始めとしたトップはガチ目に涙を流して飲み込んだ。


「黒猫さんはいいでしょ!頼めるんだから!」


「無理して作らせることはできないから」


「それはそうか!」


 そんな感じで、憲兵も出来上がり、集落は村となり、神樹が少し大きく育つ。精霊が現れたが、この村の子なので自分は名付けない。


 村の子はレントから色々聞きながら成長しているようだ。黒猫の真似している。プレイヤースキルが多めだが参考になるのだろうか?


 その様子を見ながら全体的にバランスを考える。ミルクタンクや聖牛、コケッコと神聖コケッコを集落へ運んだりしてやり取りする。聖水を作り出す泉装置も設置しなければいけない。


「いっぱい作ったよ~」


「グリモワール、メリュジーヌありがとうね」


「ぴぎゃ」


 氷魔法と雷魔法を作り出し、村人に覚えさせ、扱わせる。罠の作成、狩りの仕方、教えることは多々あるのだ。


 黒猫は好きに動いている。今度はドワーフ鉱山のボスモンスターを倒しに向かっているらしい。小麦をたくさん作り、パンを焼くかまど作りなどをしておこうか。


「ふう、いい出来だ」


「おー完成度と品質も高めだぜ」


 鍛冶クランの人と共に作ったかまどは、一軒に一つあるようにして、パン屋となる食堂などは大きく作った。妖精達が作る物に色々変化がある。


 シルフの『妖精の布生地』や『ノームの腐葉土』。サラマンダーの『食器類』やウンディーネの『料理』。ケットシーは銃器による武器作り、コボルトは素材作りである錬金術が強くなる。結構いい感じだ。町の名産になるね。


 それに伴い、リファは妖精の宝石を時々作る。これは自分が加工して、オークションのようにばらまいている。活躍した人、頑張った人など様々だ。リファってハマるととことんやるな。


 性能の良いアクセができたり、誠実のアメジストのように壊れ性能だったりする。さすがになんでも妖精の宝石に換えない。


 っていうか、本来の実力は樹の世話で出ている。通称妖精の果樹、変化した果物は使うだけでバフ料理の性能を上げてくれる。リファの面倒を見た樹は大抵そうであり、品質の良い性能のある素材を落としたりする。


 それを使い、矢に使うからか、弓矢使いが優遇されていた。


「消耗品なのが少し辛いが、威力が上がるのは助かる」


 そう言っているから、リファに弓を作れないか聞いたら、やばいもの作っちゃった。妖精の霊木弓というもので、攻撃力がかなりあり、耐久値はガチ勢からすれば低いとのこと。一般人にとって弓としては破格の耐久値らしい。


「予備で二本あれば運用できる!」


「っていうかこれと『ルーンの破壊矢』があれば、トップ勢並みの攻撃力を出せるぞ!」


「量産できませんか!?」


 弓矢使いの切実な願いの為、できる限り応えようと思う。村人にも使えるし、エルフ集落の人からも頼まれた。もちろん、自分以外もチャレンジするが………


「デザインが違う!」


「紋章と力あるモチーフの組み合わせ判定がむずい!」


「絵心ないとだめやん!」


 そう、弓に刻む紋章とモチーフを意味を崩さず組み合わせる。自分はそれなりにやっているから慣れたが、他の人は難しいらしい。二つ使うと片方が力を発動しないという事態になるようだ。


 自分がトッププレイヤーとして名前があるのは、二つのモチーフを意味や力を崩さず、両立させるところにあると思う。そうじゃないと周りがトップとは言わないだろう。とはいえ大変なんだけどね! 少しでも重なり過ぎたり、外れすぎると変な弓になるんだよ!


 なんとかイベントが終わる前にはそれなりの数を揃え、作れるケットシーやコボルトを増やしておきたい。ケットシー達にも作らさせて、少し休みたい。


 そうこうしていると鉱山のボスは黒猫達が討伐した。結果、鉱山の恩恵を含む神の石がドワーフ集落の柱になったようだ。襲撃イベント発生するから気を付けてね。


 他のところは森と湖から、神の力を秘めたアイテムを手に入れるらしい。頑張りどころだろう。援護は任せろ。っていうか、んーまあいいか。


 イベントの裏方ばっかりだけど、これが自分らしいしな。そう思い、ケットシーとコボルトにモチーフ作りをやらせていた。

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