第41話・第2イベント:発狂

 妖精達と共に暮らしている。別プレイヤーと行動を共にすると色々発見する。


「おおっ! これは凄いぞ!」


「なんか発見したのか?」


「ああ!料理で妖精さんが作ってくれた!」


 様々な料理が現れて、料理バフが盛られたりしている。それに一部のプレイヤーが凝りだした。


 ハンバーグとか作ったり、シチューを作ったり、チーズを作ったり。妖精の手も入り、料理の効果が変わるらしい。妖精も喜んで力を貸す。


「うめっ!」


「空腹値回復考えるとうまいもんで回復したくなるよな」


「っていうかハンバーグでも味変とかしてるから、これもエンドコンテンツじゃね?」


「有識者いない? 料理の専門家とか」


「とりあえずここにはいないな。他んとこか別サーバーにいそう」


 掲示板に載せておけという話になり、こういった情報が載せられた。やはりというか、料理を専門にするプレイヤーから熱烈な反応が見られた。ニンニクとか色々使えるらしく、ピザとかも手を出したいとのこと。


「料理っていまのところどんなのがあります?」


「んーノートさんのおかげでかまどが乱立してるけど、普通はあったっけ?」


「まずいな、その辺の情報持ちもいないのか?」


 掲示板でやり取りしてみますとやってみると、かまど持ち料理プレイヤーはどうやら自分だけらしい。ピザ作りもやってみたいというプレイヤーが多く居るようだ。


 かまど作ってみても置く場所が無ければ売れないしな。石工持ちの人達はそう思いながら、専門のかまどってのを作ってみたいとなり、石工のレベルが高い人達がこだわりだした。


 色々な石で作るかまど、性能や効果が変わるらしい。色々作ってみたところ、住人達が好きに使い出す。パンとピザ、陶芸とガラスなどに使い出し、効果の高い物を作り出している。とりあえず別サーバーにいる料理人プレイヤーは発狂した。南無。


「性能の良いかまども装備作りに必要かもしれないな」


「エンドコンテンツに力入れすぎじゃねえこのゲーム!?」


「現実世界じゃまだ半年も経ってないし、極められても困るだろうけどな」


「料理にもエンドコンテンツ組み込むとか、一生ついてく」


「パンうま!」


 そんなことをしながら製作していると、あることを試すプレイヤーが現れた。道具製作である。ハンマーや金床など、作り出して性能が上がるかの確認だ。


 自分にも手を貸してくれと言われたので、貸してみることにした。そしてできたのは、火属性と神聖魔法、聖属性メインの鍛冶場であり、それで作った神聖十字剣がやばかった。


「はあぁぁぁぁぁエンドコンテンツすぎるだろう!制作場所ですら効果付与ってやばい!」


「現在現役武器である片手剣の性能でみるとどうだ!」


「十分すぎる!えっ、これでノートさん半分の力で鍛えたの!?」


 そうなのだ。鍛冶場の効果を確認するため、いくつかの強化はしていない。それで最大強化に2段階くらい下のができた。これで最大強化で厳選し出すと、かなり高性能の神聖十字剣ができる可能性が高い。


「にゃー!」


 すでに黒猫が目を輝かせている。ここで厳選すると失敗した剣がかさばるから無しだからね。


「にゃー………」


 できる限り工房を作る話が出て来た。っていうか鍛冶場でこれならキッチンはどうだ?という話にもなり、施設作りに熱を入れてみた。


 色々作り過ぎて実験の結果は、施設でも性能が左右されるというのが分かり、発狂する人達が多い。神聖十字剣もかなり強化されてこれ以上無理と思ったけどな。


 ・攻撃力を求めるとなると、火属性の鍛冶場で製作。


 ・聖属性を加えることを考えると、聖属性の鍛冶場での製作。


 これにより攻撃力がかなり高い物。アンデッドに無類の強さを得た物が作れる。


「はあぁぁぁぁぁ!?」


 鍛冶師達は発狂した。ただでさえ新しい鉱物などが発見されたのに、まだまだ強化する余地があることに発狂した。プレイヤーも発狂した。高い金を出した買った物がより良い物ができると知って。


「まあ、まだ半年も経ってないからな。プレイ時間はそれなりに稼いでる人はいるだろうが」


 ガーネットさんや一部のプレイヤーはそれはそうかと冷静に受け入れている。


「フルログイン組ですね」


「ああ。ノート君は空いた時間にしか来ないが、フルログイン組は休憩時間を分刻みで行って、できる限りログインしている」


「確か、学生でも時間を分刻みで予定立てて、ほとんどをこちらで過ごしていると聞きますね」


「リアルだと色々問題になるんじゃないかと言われてるね。私達『宝石箱』は仕事でもあるから、その辺は気を付けているけど、そうじゃない奴がいるからな」


「あー」


 黒猫のことだろうな。多分学生だろうけど、ほぼすべての時間をこちらにつぎ込んでいる。まあ無理のない範囲ならだれも文句は言わないだろう。


「神聖十字剣乗り換え時はどこだ!?」


 本人も新たな神聖十字剣に期待しながらも、新たな武器に心躍っているらしく、面白い反応をしていた。廃人勢はこのゲームにハマりまくってるな………

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