第29話・孵るタマゴ

 新しいテイムモンスターレヴィに対して、育てるのはタマゴの子が孵ってからにしている。水晶の洞窟で探索し終えたら、そろそろだろうか?


 水晶の洞窟で【風虎の爪】を使い、召喚した子は【ハヤテ】と名付けた。サーヴァントタイプで、かなり強い風使いだ。こうして黒猫もいる中で進んでいると、そろそろボス戦が来た。


「水晶ゴーレム!」


「強そう!」


 水晶ゴーレムはかなり強くて、ミサイルみたいな攻撃があり、ロックゴーレムよりもだいぶ強いらしい。ヘイトを稼ぎ、躱しながら戦う黒猫のおかげで戦えている。【浮遊する短剣】やリファを召喚して徹底抗戦。


 分かったのは召喚系はパーティ枠を削らない。六人以上の個体を呼び出して戦っている。


 徹底的に攻撃力の高い攻撃をして、HPを削り続ける。水晶ゴーレムというよりロボットのようなボスだ。だがヘイト管理しているのはトップを走るプレイヤー。後衛としてもやれていると思う自分。まあ魔法使うだけだけど。仕事はしているだろう。


 だいぶ強くなった黒猫、その渾身の一撃を叩き込み、倒すことができた。


「楽勝、あとでソロ討伐するぞー!」


「頑張れー自分は無理だな。なんかミサイル量多かったし、壁役いないと無理だな」


 水晶ゴーレムのパーティー討伐アナウンスが流れ、報酬が出てくる。手に入るのはセレクトで本、施設? 装備だ。


「私は本を選ぶね」


「うん。なら施設?かな」


 施設っぽいのは『人形の器』というものであり、謎のアイテムだ。鑑定すると戦闘人形が収められた器。部品が足りず、機械人形は活動できないらしい。


 パーツは作れそうなのは、一緒にもらった本だ。精錬インゴット、水晶をインゴットにするとできるこれを使ったりする道具素材を作れる。


 黒猫が目を輝かせ、とりあえず必要なパーツは、アンデッドの魂がいるらしい。


 ………レヴィ、機械人形になってくれるかな?


 ◇◆◇◆◇


 パーツを揃え、レヴィに機械人形になるか聞くと喜んでいる。全てのパーツを揃えて人形の器にすべてをつぎ込む。


「………活動動作確認終了。委細問題なし。マスター、レヴィはいま機械人形に進化、ステータスなど向上しました」


「おお」


 持っている武器は盾のような杭が付いた武器、パイルバンカーか。そんな武器を持つタンク前衛職になったレヴィ。可愛らしい顔立ちの少女であり、黒猫がダイヤのところに連れて行くといった。可愛らしい洋服を着せられ、装備もできるようだ。


 そしてレヴィが機械人形になったため、一部とある武器が作れるようになった。パイルバンカーとアサルトライフルなどの銃器である。


「性能低いけどできたのはこちら」


「おおっ」


 黒猫がハンドガンを持ち、試しに使う。分かったのは魔力を弾にするため、魔法職の遠距離攻撃として使える。魔法職が歓喜する武器に、作り方を覚えながらパーツパーツを強化して威力を上げる。


 かなり難しい。攻撃をメインにすると耐久が、耐久をメインにすると弾丸数が減ると、バランスが難しい。


 黒猫が欲しい欲しいと言っているため、素材集めを任せて作ることに。フリマには流せないだろうと判断して、クラン関係で売りさばくとのこと。あとは研究。


「これは専門クランできるくらい、細かくされてる!」


 さすがにお手上げだ。できたのはまあまあの出来だと思う。単純に少ないMPで強力な遠距離攻撃ができる武器として破格なだけ。


 それでも魔法の方が強いし、どう運用するかプレイヤー側にゆだねられる。とりあえずこのシリーズは厳選するのは無理過ぎる。


「他にもありますもんね」


「レシピ流すしかありませんよ」


 こうしてレシピを流すことにして、拠点へと戻る。黒猫はまあまあの武器だが喜んでいた。大金を受け取りつつ、拠点に帰るとタマゴが孵った。


「ぎゃう」


「ドラゴンか」


 羽根の生えた白いドラゴン。妖精さんに面倒を見られている。赤ん坊みたいだ。名前は『ホワイトドラゴン』。ミルクタンク達がお母さんとしてミルクを与え、少しずつ外で遊んでいる。ユニークにするアイテムを使ったから名前はある。名前は『メリュジーヌ』とのこと。


「ママ、ママ」


「よしよし」


 メリュジーヌは甘えん坊で優しくて臆病な性格だ。レベル上げは無理だから、ここで生産したり、拠点で過ごしてレベルを上げよう。ご飯を多く食べるため、ゆっくりご飯を与えて育てる。美味しい料理を作ったりして過ごす。


 戦闘系のスキルとして【竜族スキル】と【氷魔法スキル】。【コールド】という魔法が使えることを確認した。


 聖水を使うことでレットマトは完熟トマトとなり、美味しくいただけている。


「とりあえずパーティは五人連れていけるから、ガウム、しんじゅ、グリモワール、レヴィを連れて行くか。後一人連れていけるようにしたい」


 やはり新しいフィールドを探索しよう。水晶の洞窟は先は無く、古城はボスモンスターが発見されて退治された。ちなみにソロ討伐も黒猫がしている。古城は罠探知と解除を上げておきたいから、倒しておきたい。


 パイルバンカーの杭を神聖銀で作り、神聖のパイルバンカーにして、戦える準備をしておこう。

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