第28話・新しいテイムモンスター

 宝石作りだが、良いのができなかった。むしろ悪くなるなという印象を受けるが、オマケなので自分の分は使い続けた。


 フリマでも売れない装備は仕方ないから倉庫行き。そうして過ごしていると、ガーネットさんに呼ばれる。


「実は良い取引があってね。相手先が入手している本の翻訳を頼まれた」


 古代語を取るほどなのか分からないから、相手は鍛冶師クランで、錬金術師など抱えている派閥だ。情報を独占したいところだが、価値が分からなければ意味がない。


 現在古代語のレベルは10、結果【中級古代語スキル】という、古代語による暗号文も読めるようになった自分に頼み込んだらしい。


 それを見てわかったことは、宝石に関するアクセサリー作りであった。紋章や力ある言葉、ルーンに使用することで効果を発揮するという内容をすべて伝えた。


 本の内容は全て習得することはできなかったが、引き続き時間があれば読む許可はもらえる。


 試しにシトリンでルーンと紋章を組み合わせて作った『シトリンの紋章』は、レアドロップ率向上、生産成功率アップというもの。しばらく作ることを頼まれた。


 一番多いシトリンでこんな性能の良いアクセサリーができたため、かなり願われた。レベル上げにもできるしいいやと思い、しばらく作り続けるつもりだ。


 他のところで味噌と醤油もだいぶ売られるようになった。性能を上げるため、紅蓮唐辛子など使用したり、ニンニクが使われたりしてアレンジや、デミグラスソース作りが流行りだしている。


 試しにデミグラスソースを作るのだが、リファがハマった。結果的にできるのは『妖精のデミグラスソース』というソース。妖精族が魔力を注ぎ作った特別なソースであり、料理に使うと性能が上がる。料理バフは珍しいが、これでだいぶ形になる。


 リファもリファで大量生産して放置するため、販売の目玉にする。『宝石箱』で4割渡している。少なすぎる気がするんだよね。


 ブラックリストは、まあ出るには出ているらしい。職人の時間を奪うわけにはいきませんと前に出て止めてくれている。ガーネットさんには感謝しかない。


 結構分かっている人もいるが、このゲーム、ザ・ワイルドが湧くくらいだから、一定数いる。その人達の対処に時間を使わせているから、5割にした方が良いかもと思ったが、他にも頼んでいるからと断られている。


「マスターなに悩んでるんだ?」


「グリモワールか、そろそろ新しい子をテイムしたいんだけど、どれがいいか」


「あー」


 前衛が良いのだが、動物系は即戦力になりそうにない。アンデッド系もいいかもしれないが、リビングアーマーぐらいしかいない。昆虫系は正直いいかなと思うため無し。どうしようか悩んでいた。


 タマゴがそろそろ孵る可能性があるため、そろそろ一人見つけておきたい。


 とりあえず古城に行き、罠解除などのスキルを上げよう。そう思い、黒猫抜きの探索だ。無理せず行こう。


 ◇◆◇◆◇


 聖水を使用することができるため、アンデッド系には強い。火属性の魔法も強いし、最近は雷魔法を使用できるからね。


 しかもしんじゅが奇跡カテゴリーの魔法を製作できるため、火属性の【セイクリッドフレイム】という魔法を作った。


 これでここの難易度はかなり下がり、結構先へと進む。


「中ボスか、いつも通りやろうか」


「わんわん」


「OK!」


「ピキュ」


 火、雷、奇跡の攻撃をガンガンして、中ボスを倒す。トドメにしんじゅが刺して終了。宝箱が出て来た。


「ん?」


 いまさっきしんじゅが使った魔法は浄化魔法ではなかったか? 攻撃できたっけ?


 そう思いながら、宝箱はいままでの物とは違うな。複雑な仕掛けだが、だいぶ鍛えたから、ゆっくり冷静に、シトリンの紋章効果もあり、成功する。


「おっ」


 鬼火というモンスターが現れた。テイム可能らしい。テイムモンスターもいるのか。アンデッド系で、神聖魔法が使用可能。キャスタータイプのようだ。


 欲しいタイプではないがレアなので良しユニークで『レヴィ』という名前。


「これからよろしくね」


「♪」


 嬉しそうでなによりだ。


 今度はシトリンの原石集めに水晶の方に出向くか。そろそろ古代語の本のレシピも分かって来た。そろそろあれが作れるだろう。


 作れたとして自分達が扱う物、なのか分からないな。その材料も集めに行かねばならない。


「とりあえずいったん帰るか」


「はーい」


 こうして帰り道に釣りをして、そろそろ釣り竿も進化させようと思う。


「スッキーさんいますか?」


「はいよ。どうした?メシマグロいる?」


「実は渡したい物がありまして」


 それはアクアマリンの紋章とルーン、魔銀を使用した釣り竿。『大海の釣り竿』だ。性能の良いのを渡して広告塔になってもらたいといった。


「くれるのか!?っていうかキミが釣り竿の作りの最先端だったのか!?」


「お願いしても良いですか?」


「いいよ!いっやー燃えて来たね」


 こうして初めて大物として大メシマグロが釣れた。スッキーさんは称号釣り好き職人というのが手に入り、広告塔としては成功を果たした。


 自分は釣れなかった。難しいな。

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