第23話・イベント期間:ボス戦
イベントのリアル時間で最終日だからか、それとも討伐数からかは分からないが、それは突然現れた。
『ブモオォォォォォ!』
ジャイアントミサイルピック。巨人のような大型のモンスターであり、これはゲーム内で初発見されたレイドモンスター。どうも草原、荒野、平原に三体現れた。
強さも三段階あり、草原が一番弱いらしい。一番強いのは平原となっている。
平原は俺らの獲物と言って妨害するプレイヤーが多数いたため、荒野と草原が人気であり、自分達も参加して戦う。
「でかいな」
「わんわん!」
「おーすげー」
グリモワールはゆさゆさと浮かび、リファを召喚。リファと自分がレイド戦に参加すれば微上昇だが攻撃と敏捷が上がる。
テイマー職の方、特に微上昇持ちはレイド戦に参加して欲しいという声があり、前もって報告して参加する。ついでにレイド戦に置いてどこまで上昇するか確認するためらしい。
「ご協力感謝します!」
情報、攻略など調べているプレイヤーの代表がそう挨拶しながらメモっていた。リファの情報もあり、妖精の腕輪神魔法という話題が掲示板で流れているが、まあいいだろう。古代語習得するためのイベント発見されたし。
というわけで一般人も攻撃に参加する。
「でけえぇぇ!」
「HPたけええぇぇ!」
「単純だけどこわええぇぇぇ!」
巨人くらいある身体が突如迫るから怖いこと怖いこと。
それでも有志達の戦いが始まり、草原だが黒猫などのトップも参加していた。
「黒猫さん助かります!」
「うおぉぉぉぉぉ避けアタッカーに負けられるか!」
「重戦士の誇りを見せてやる!」
タンク職やハンマーや両手斧使いがこぞって参加してくれてるのもでかいな。草原はリアル時間、開始二日目で倒すことができた。
「うへぇぇぇぇ」
「さすがにキツイ」
「けど報酬うまい!」
「食品系とポイントだ。活躍と貢献度でポイントもらえた」
「やった!回復飛ばしまくったかいがあったよ!」
「タンク職俺、大量ポイント獲得」
「おめおめ!」
「黒猫さんは!?」
「倒してすぐにログアウトしてログインするって」
「荒野生きてるからな。俺らもやれるんだったらやるぞ」
平原は無視されている。ザ・ワイルド達を筆頭に狩場独占と言っていた人達の独占だ。頑張れよ、荒野倒したら私らログアウトするから。
そんな雰囲気の中、現実世界でイベント進行をチェックしながら荒野にも少し参加する。なにげにMP自然回復量を上げるリファが喜ばれている。
「下手なHP回復より、魔法が優先かな?」
「おかげでバンバン撃ててます」
「妖精の腕輪レイド戦で強すぎない?」
「俺も早く古代語ゲットして育てないと」
というわけで荒野の方だが、かなり強かった。さすがに死に戻りしたな。
掲示板で妖精使いが落ちたと騒がれてしまった。ごめんなさいと打ち込んでおく。気にするなと返事が来て、ドロップ品獲得のログが流れる。どうも荒野の分も倒されたらしい。
これで終わりだと掲示板でお疲れさまと流れる。
そうしてたら命令口調で手を貸せと行って来るプレイヤーが現れた。
無視するか議論があり、三日目で全滅して消えたのを確認して、渋々有志を募集するトップクランが現れて、参加することにした。
「それじゃ、自分は戦闘エリアギリギリ端で待機します」
「お願いします!」
「自然回復はMPでよろしく!」
「回復エリアだから全壊する前にこっち来いよ」
「おい彼奴ら本当に削ってたのか!?」
「荒野行った時より減ってねえやん!」
「これイベント終了前に削れるかな?」
地鳴りという技を持つ平原のジャイアントミサイルピック。それがかなり強力らしい。結構ギリギリの戦いのようだ。
回復係であるエリア後方にプレイヤーが集まり、前線が上がってきて危なかったが、トップクランがそれを食い止めた。
そしてアッシュの両手剣アーツが炸裂してトドメが刺され、経験値とドロップが送られてイベントは終了。
「お疲れ様です」
「ダイヤか。お疲れ様です」
「妖精凄いですね。私も持ってるので、古代語覚えないと」
「裁縫とか手伝ってくれますよ」
「本当ですか?」
「すいません、妖精の腕輪ってどんな風か聞いても」
「良いですよ。掲示板もOKです」
「ありがとうございます」
ダイヤ以外、周りのプレイヤーからも話を聞かれて、軽く説明会がありながらも全員が問題なく帰る。
掲示板の方でもお疲れと流れている。イベント告知らしい発表があり、確認する。
草原被害35%、荒野被害45% 平地被害85%ですって。
『『『えっ?』』』
これってどういうこと? 被害ってなに!?
全プレイヤーがそう思いながら様子を見て、色々発表が明日行われるらしい。メンテナンスが入るとのこと。
掲示板も荒れている中で、平地は王都が傍だけど大丈夫か!?という話で始まり、朝1でログインしようとするものが現れだす。
自分はそれができないため、しばらく様子を見守るしかなかった。
いったいどうなるんだろう? そう思いながらメンテナンスが終わるのを待つしかなかった。
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