第20話・イベント期間:黒猫と共に
紋章を借りながら『宝石箱』の配信を確認する。裏方で男性メンバーも指揮していることが分かるから、意外とアットホームなのだろう。男性との関わりに敏感な人はいないようだ。
まあMMOだからね、トップクランしていると男性禁止とか大変だろう。
メンバーも自由性があり、本格的に入るのなら、リーダーは配信者チームの子という感じで、後はお手伝いさんとか素材集めらしい。
配信の手伝いができるファンや、単純に有名どころに入れて嬉しい人が集まっているようだ。あとは配信者のタマゴの受け皿になってるようだな。このゲームのコラボは積極的にしているようだ。
今回のイベントはいつも裏で働く人達をメイン。みんなでイベントポイント集めましょうと動いている。
自分のことを話していた。また有力な生産職抱きかかえましたと言って、商品の案内と一定数をフリマで流す話をする。
『聖水作れたんだ~薬師として挨拶しようかなこんど』
『鍛冶師メインの人?』
『いいえ、本人はテイムメインね。いろんなモンスター連れてたし、できればそっちしながら友達の厳選手伝ってあげてるって感じ。素材持ち込めば多少融通してくれるのは許可が下りたわ。この短杖もその一つね』
『ヒーラーとして性能の良い回復補助の杖は嬉しいわね。基本は厳選は持ち込みらしいから、時間を取らせないようにしないと』
『フルログインはさすがに配信者組しかいませんからね』
コメントもボス周回からの厳選手を貸してくれるかなとか出ている。返事としては全ボス周回は嫌がるから、通常性能を上げたいときくらいに頼むか会議と答えてくれている。
早速フリマの商品もコメントが付き、頑張ってくださいとか、こっちも欲しいけど宝石箱に融通よろしくとかあるね。これらはまあいいや。
ブラックリストは宝石箱のメンバーさんと共有することに。いやまさかまだまだ出るなんて、聖水がいま人気出始めてるから、聖水寄越せというのがまあ。
「ミルクシチューうまい!」
「そう、みんなも美味しい?」
黒猫と共に拠点メンバーで食堂の方から教えてもらったミルクシチューを作り、食べている。お肉もあるのでかなりうまい。
味噌もできたし、安定もし出した。酒造、発酵に繋がるスキルが手に入ったからね。小麦は、どうすればいいんだろう?
「小麦粉にできればいいんだけど、施設かな?」
「交換リストにあればいいね」
それもそうだけど、攻略勢の交換リストの予想を聞く。
「まずほとんど装備品!欲しいのは特定の種族に対するスレイヤー系各種の武器と、耐性の高い防具」
「耐性か。毒耐性の防具が作れそうだっけ」
実は『宝石箱』からストーンリザードの皮を送られ、加工している。石化耐性が付いたり、オックスビックという牛モンスターから気絶耐性を見つけたことがダイヤから報告されている。
これらは下地に使えば耐性を防具に付けられると考えている。一度合作で金属をこちらが担当して、下地作りをダイヤが担当したら、かなり性能の良いのができた。
フルパワーで活躍するかもと、杖作りもした。自分が欲しい布を製作、糸やボタンを用意するダイヤと、それらの装飾を使い杖を作ったら、かなりいい出来であったため。クランでは鍛冶は自分、布生地などはダイヤとなる。現在はダイヤはモチーフを覚えて【紋章刻印スキル】を覚えようとしているらしい。
というか、必ず力になると必死に覚えようとしているとのこと。なによりモチーフをうまく使えば可愛い服とか作れるといきまいていた。
とりあえず自分は布と糸を提供している。
「クランはいま、イベント起きないかシルクワームとこ行ったりしてるけど、無理そうって話になってる」
「ああ、普段は即座に倒してドロップ品狙ってたっけ?」
「この手のイベントは、キル数で無くなる可能性が高い」
そうなるとミルクタンクのイベントもそれっぽいな。白は非戦闘モンスターとして、広めていいか聞かれていたからOK出しておいたよ。
「イベントももうすぐ終わりだね」
「うん。エアウイングファルコンに構い過ぎてた」
黒猫はキャラクターレベルが13になっている。どんだけ倒した。平均考えて10レベルでソロで戦えるらしい。
弱点ありならもっと難易度は下がる。難しいのは空を飛んでいる敵に攻撃できるかくらいだけらしい。すげえな黒猫。
この後は釣りをしに出向き、釣りを楽しむことにした。
「おや、新しい子かい?」
「どうも」
「こんにちは『釣りスッキー』さん」
「新しい子なら良いポイントを譲ろう。まずはそこでヒットと糸とのやり取りを覚えると良い」
あのあたりならメメザシと酒サーモンしか掛からないと教えてもらい、釣りスキル無しでメメザシを釣ったりしてスキルを覚える。
「だいぶ増えましたね」
「魚がポイントになるからね。実はメシマグロでだいぶ稼いだよ。こいつも大事だが、耐久値が無くなると壊れるから、交換リストであればいいな」
「メシマグロはまだ釣れてないんだよな。美味しそうだけど」
「沖に行ければもっと大きいの釣れるかな?」
そんな会話しながら楽しんでいる。今日も今日で平和であった。
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