第19話・イベント期間:宝石との出会い

 イベントをそこそこやりつつ、黒猫からメールが来た。内容は知り合いのクランを味方にした方が今後良いらしい。マナーの悪い人っているからね。


 ブラリスされた人は解除の要求、そして素材の無料提供を求められるらしいので、名前を借りるくらいの関係でどうからしい。うちもそこそこいるから、頼んだ方が良いか。


「こんにちは、黒猫から話は聞いていますね? 私達は『宝石箱』というクランを組む配信者の集団です。私の名前はガーネット。クランリーダーです」


「あなたとほぼ同じように活動しているクランメンバーの『ダイヤモンド』です。ダイヤと呼んでください」


「ああ、あの時の皮職人さん」


「あっ、お客さんでしたか」


 ランスディアの革鎧のことを伝えて、そうですか。これは買い替え時ですねと判断された。


 ガーネットは人間の種族で、赤い髪と瞳のお姉さん。ダイヤは白い髪に綺麗な瞳のハーフリングとのこと。


「ダイヤとは同級生なの」


「ガーネットは実はお姉ちゃんなんです」


「個人Vチューバです。いまのところ同期メンバーで『宝石箱』を大きくしてます」


「ノートです。男性ですけどその辺は問題ないですか?」


「さすがにそこまでぎちぎちではないのでご心配なく」


 とりあえず新たに協力者として名前を借りるのなら、実績などの確認をして、色々話を通すらしい。


 まずはこちらのやりたいことの確認。のんびり作業と黒猫とか気が向いたら装備厳選するくらいかな? 作るのは楽しいし、自分はいまは抑えているが、モンスターテイムを希望したい。


「はいはい、黒猫から聞いています。その程度ならダイヤと同じなので問題ないかと、他のメンバーも大丈夫ですね」


「そういえばスカートの厳選どう?」


 一応はこれが最大値、これ以上は裁縫レベルが低いし、他のスキルが低い。そう言って見せたのは前の物より50から70くらい性能が盛られたもの。


「買い」


「性能の良いスカートですね。刃のような羽根を用いる裁縫系統の装備ですか」


「エアウイングファルコン。いずれ狩っておきたいな」


 それから話し合いで、ダイヤはexスキル持ちらしい。内容は【裁縫exスキル】。裁縫系統のスキル全てを持つとのこと。


 皮細工、革加工、染物などなど使えるため、インクに興味があるらしい。後は紋章などのスキル。


「短杖でここまで性能のあるものは初めて見ましたよ」


「ああ、これを買い取りたいんだがいいか」


「いいですよ。それよりこちらの他がいいですけど」


「買った」


 魔法ショップでピッケル代金が貯まったな。今度買いに行って、水晶の洞窟を探索するか。それか古城。だいぶ人が入っているらしい。


 聖水が最近売れ行きが良い。お金回りはだいぶよくなった。


「シルクパピヨン!この子たちがいれば布系も安定する!」


 シルクパピヨンがかなり喜ばれている。糸と布は品質の良いのをフリマに流している。ぶっちゃけダイヤは顧客さんだった。


 正式に一定の数と品質の売買契約を結んでおく。これだけで『宝石箱』は名前を貸したり、仮メンバーにしても問題ない。


「ウチが囲ったことは前もって配信するか。出演はNGで良いですよね?」


「はい。特定されても困りますからね」


 とはいえ恩恵を持たせるために、クランエンブレムを使用できる権利をもらう。短杖と杖系を売るときに使わせてもらおう。あとは聖水だな。


 ポーション系にも使用しよう。エンブレムを使用する商品の話し合いをしておき、ミルクなども入れておくか聞かれたが、そちらは小屋が販売可能になっているから良いだろう。


 聖牛のミルクは特別性がある。これで作る薬はミルク味でアンデッド対策になる。


 とりあえず話し合いは円満に終了。とりあえず彼女達の配信を確認してみようかなと思い、黒猫はまたレベル上げしに出向くと言ってエアウイングファルコンへと挑む。勝率はじわじわと上げているらしい。


 ◇◆◇◆◇


 狩猟の森でビッグミサイルピック狩りをしながら、薬草など回収。ハズレは邪悪なトレントだな。テイムするとだいぶ楽になるんだけどね。


 畑の世話をブラウニーやレントがしているから、リファを呼んで戦闘練習している。短杖の効果が良いね。火属性の魔法が威力を上げて、新しく色々試している。


 最大でスキル9レベル、キャラクターは7くらいになった。生産系がやはり強い。ピッケルを買い、水晶の洞窟へ出向く準備をしている。黒猫と共に行くのもありだ。


 そうして洞窟エリアに行き、ボスモンスターを倒す。牙が欲しいんだ牙が。


 ダイヤもポイズントードでスキル獲得を頑張るため、メンバーの薬師に解毒薬を作ってもらいながらスキル獲得を目指すらしい。


 自分は牙インゴットを作り、投げナイフへと作ることに。


 破裂のルーン、力ある文字を刻んで、耐久値が減る代わりに攻撃力を上げて、かなり強力な毒ナイフができた。


 黒猫も欲しいというので共に周回する。毒暴君の紫槍足もまた強いナイフになる。


 投擲武器は数が必要だから、これは売らずに持っておくことに。


 その時に黒猫に水晶の洞窟探索を頼み、OKをもらう。できる限り奥に行って、エリアボスモンスターをパーティ討伐したいとのこと。


 とりあえずイベントが終わるまでは放置だ。

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