第18話・イベント期間:のんびりと

 冒険者ギルドに行くと、どうやら自分はランクが上がるらしい。新たにFランクになり、狩猟、従魔、魔法ギルドでも同じことが起きた。


 ランクが上がり、変わったところは狩猟ギルドでは古城の話を聞けた。幽霊系モンスターがいるらしいので、死霊使いを目指すプレイヤーは歓喜しているだろう。


 従魔ギルドでは友誼モンスターの売買も始まった。ミルクタンクとコケッコ、施設として動物小屋も。お高いね、フリマはやめておくか。


 冒険者ギルドはランクの高いクエストなど受けられるようになり、討伐系を受けて、狩猟の森へと向かう。


 現在イベント中の狩猟の森並び、草原エリアではビッグミサイルピックというモンスターが発生していて、大抵はそれを狩るのがメインになっている。


 ガウムも気に入っているため、なるべく狩る予定だ。


 そうこうしていると、グリズリークラッシャーが目撃例が上がりだす。あれはどうも、森の中をランダムに現れるタイプらしい。


 討伐者と古城入りしたプレイヤーがちらほら出て来た。


 こうなると洞窟の方も調べられるだろうなと思いながら、霊木の枝、固い木材、木の実や薬草などなど。気を付けながら集めていく。


 そろそろいったん帰るか。エアウイングファルコン戦をした後だと、レベルが上がりにくい。なかなか次の段階に行かないことを考えると、最前線のプレイヤーはたくさん戦闘しているんだなと思う。


 帰ったら新しい図書館のクエストをしつつ、本を読むことにした。


 しばらくして受付で新しい本を探そうとすると、受付さんに話しかけられる。


「魔法ギルドの者です。あなたは【紋章刻印スキル】をお持ちのようですね」


「はい」


「それなら、簡単なアイテム作成を依頼したいです。錬金術もお高いようなので、どうかお願いします」


 新たなクエストだ。これはイベントというよりユニークなクエストかな?


 案内された作業部屋でレシピを渡される。魔銀という様々な色と属性を持つ鉄の作成らしい。


 初期段階だと火のコア、風のコア、水のコア、土のコアと魔銀石というアイテムを使うらしい。効果を聞いたら、色の付いた魔銀は魔法付与を上げてくれる。


 魔銀石はどこで手に入るかと聞くと、あの毒暴君蜘蛛の奥にある水晶の洞窟らしい。魔法ショップの方で『魔銀のピッケル』が売られるらしいので、それで掘るとのこと。


 良い情報だと思いながら、製作に入る。しばらくはここでスキル上げをしようか。限られるだろうが装備作りや細工に使えて、性能を強化できるとのこと。色々あるなこのゲーム。やり込み要素ありすぎ!


 ◇◆◇◆◇


 朝になりミルクを採取する手伝いをするとき、一頭だけ変化があった。聖牛となっている。他はハイミルクタンクなのに。


 どうもしんじゅが聖水を飲ませていたらしい。神聖効果というものがついて、ポイントも高い。色々変化があるな。


 ポイントをたくさん手に入れつつ、麹麦と黄金小麦がそれなりに集まった。納品しようとして色々鑑定して調べた。


 味噌が作れるかもしれない。最近【陶磁器作成スキル】がついてきた。ツボを作り、麹麦と漆黒豆を合わせて寝かせるとなにかできるようだ。


 黒醤油はだいぶ売れているし、納品でだいぶポイントを稼いでいる。だいぶ食品は安定してきたな。


 小麦もたくさん納品してポイントを確保。リファが良く働くからミルクを渡したり、飲める状態にしていた。


「ん?」


 知らない子達が暖炉の上にあるミルクを飲んでる。リファへ用意したミルクを飲んでいるため、こらこらと止めた。


「待ってなさい」


 逃げ出そうとしたが引き止めて、彼ら用のミルクを飲ませることにした。コップはそこそこ用意してるからね。問題はないよ。


 しばらくすると小人こと『ブラウニー』と友誼を結ぶ。畑の世話や生産の手伝いをしてくれて助かった。リファの負担が減るな。


 小人が働くようになり、色々畑が賑やかになってきた。


「釣りもするか」


 ウマアジを手に入れに釣りに出向く。魚のポイントが高いらしく、結構な数のプレイヤーがいる。


「フィッシュ!」


「おおー」


 あの人またメシマグロを釣った。すげえ、一番難易度高いんだぞあれ。


「もう少し品質の良い釣り竿が欲しいな。そうすればもって大物釣れそう」


「そうですか」


 んー耐久値の上がる土魔銀で作ったら面白いかも、それか水魔銀。参考になるな。


 ピッケル代金、イベントで貯めよう。そう思いながら釣りをしている。


「クロコダイだ。やった!」


「おめおめ」


「食堂で茶漬けのレシピ教えてもらうと助かるんだよね。お茶の葉も手に入れられて、農家が増やしているし」


 おお、そんなことになってたのか。食堂に持って行ってレシピもらおう。


 そうなるとお茶の葉と交換で漆黒豆とかと交換してもらおうかな。クラーラ持ってるかな?


 こうして釣りをしながら、魚を持って食堂によるプレイヤーは結構いるらしい。


 特別メニューの種類が増えて助かるぜと常連の村人が言って喜ぶ。


 レシピなど教えてもらいながら、納品の分も用意して過ごしていった。

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