第11話

「いらっしゃいましたね。お待ちしていました。お二人方」

 聞き慣れた少女の声と同時に、黎慈は目を開けた。

隣には、景佑がいた。

どうやら夢の中に入れるとゆう話は本当らしい。

 ただ、いつも少女がいた部屋ではなく、赤い光と青い光が混ざったような混沌とした世界にいた。

少し困惑していると、少女が2人に話し始めた。

「この場所は、夢でも現事でもない世界。夢への入り口です」

「この夢の世界は特殊で、夢の中で起きたことは現実にも影響がある可能性がある、とゆうことです」

景佑が少女に質問を投げかけた。

「可能性って?もう少し説明してくれよ。てかあんた誰なんだよ」

「今はまだ名乗れません。時がきたら、教えます」

「現実にも影響があるとゆうのはあくまでも可能性として挙げただけで、私にもわかりかねます。だからこそ、あなた達にこの夢のことを調べて欲しいのです」

「ついてきてください。夢の入り口まで案内します」

そう言うと、少女は歩き始めた。

黎慈と景佑は、少女に連れられるように歩き、数分歩くと赤白く光る扉が見えてきた。

 扉の前までつくと、少女は説明を始めた。

「ここが、夢の中に入れる扉です。可能性は未知数ですので、危険を伴うかと思いますので、これを差し上げます」

 少女から渡されたものは、ヘッドフォンによく似たものだった。

「危険を感じたら、これを耳にかけてください」

「現実に帰りたい時は、その場で手を空に掲げてから握り、自分の心に入れるようにイメージしてください」

「それでは、ご武運を」

 少女がそう言うと、視界が明るくなり、気づいたらすでに夢の世界らしき場所にいた。

 景佑も横におり、まずは状況把握を始めた。

「景佑、ここは夢の中で間違いないな?」

「おそらく。前にきた時とは随分と変わって見えるけど」

「黎慈も、あの少女は誰なんだ?前に夢の中に来たときはあんな人いなかったけど」

「すまん、それは俺にも分からない」

 少し険悪なムードのまま、先に進むことにした。

 少し歩くと、景佑は何かに気づいたようで、辺りを見渡していた。

「黎慈、俺気づいたんだけどさ、これ冨永山町じゃね」

 言われて黎慈は辺りを見渡してみた。

 確かに似ているところが多々あったが、少し違う点も見受けられた。

所々に、学校関連の張り紙や生徒に似た何かが街中を闊歩していた。

「なあ、あれってうちのクラスのやつだよな。なんでこんなところに?」

「わからないけど、あいつこっちに向かってきてないか?」

こちらに向かってきている生徒に話を聞こうとして、景佑が近づいって行った。

 黎慈は悪い予感がしており、景佑を呼び止めようとした。

「景佑!帰ってこい!絶対やばいやつだぞ!」

「え??」

黎慈の悪い予感が的中し、その話かけた生徒の中を裂いて化け物が出てきた。

 その化け物は、景佑を目掛けて飛び込んでおり、黎慈は手に持っているヘッドフォンを耳にかけた。

 その瞬間、体の中に何かが流れ込んでくる感覚があった。

心臓が激しく鼓動し、テレパシーのようなもので何者かに話しかけられた。

「汝、夢の探究者とお見受けする。私の力を貸そう。その時になったら、私が汝に莫大な力を授けよう。今は汝の片翼となり、生き続けようぞ!」

 そう言うと、体が先に動いており、人間とは思えぬ速度で景佑に飛び込んだ化け物を手で殴り飛ばしていた。

 化け物を見ると、殴った箇所だけ灰のようになっていた。

景佑は、恐怖で足が竦んでおり、黎慈は景佑に手を差し出した。

 景佑が黎慈の手を掴み、起き上がると、さっきの力の正体と謎の化け物について話し始めた。

「黎慈、さっきの力は一体?」

「ヘッドフォンをかけたら、いつの間にか」

「そ、そうか」

『、、、、』

 互いに沈黙が続く中、また化け物がやってきており、今度は三体になってやってきた。

「景佑!立て!俺の後ろに居ろ!」

黎慈はそう言うと、景佑を守るために三体同時に相手をし始めた。

 そのうちの一体が景佑めがけて飛んでいき、景佑を押し倒した。

「景佑!」

 景佑は、ヘッドフォンを手に持っており、耳にかけた。

その瞬間、景佑は脱力した。

 次の瞬間、景佑は化け物を手で殴っており、その化け物は燃えていた。

「いいぞ、この力は!!楽しい、まるで人間じゃなくなったみたいだ!」

景佑はそう言うと、黎慈が相手していた2体の片方に向けて炎を飛ばした。

 その炎は見事命中し、黎慈も化け物を倒し終わった。

2人はまた化け物が襲ってくると考え、近くの路地裏に身を潜めた。

「景佑、お前も手に入れたか」

「ああ、これがあれば夢の秘密も解き明かせるんじゃないか?」

「おそらく、な。とりあえず今日は一旦立てなおそう。」

「ああ、また明日。学校で落ち合おう」

 2人はそう言うと、手を天に掲げて握り、自分の心に入れるようにイメージした。

 そうすると、視界がだんだんと暗くなって行った。

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