20話 グリフィン
「ここらへんで間違いないか?コーネリア」
「ええ、私の把握してる限りではこのあたりで間違いない、はずよ」
「見つかったとしてもさ、私たち2人じゃ1分も持たないと思うよ?」
「そうか?コーネリアの力はわからないが、今のミラなら少なくとも5分は持つはずだ。」
そう、今回のグリフィン狩りもミラの修行に有効活用することにした。まずはコーネリアとミラの二人で戦ってもらい、限界が来たら俺がその後討伐する、という流れだ。まだミラアBランク相当のモンスターは倒せるほどに実力はない、まあミラは心法を学んでないから功力を増やすことも、そもそも功力がどういったものなのも理解できていない。だが身法だけは教えているからな、動きだけはかなり強いものといえる。だが功力を込めた攻撃にはならないため、威力はものすごく落ちてしまう。まあミラは知っての通り天才だからな、オーラの代わりに魔力を使って疑似的なオーラ使い状態に無意識化でなることもできたし、もしかしたら面白いものを見せてくれるかもしれない。
「私たちが死ぬ前に絶対助けてよ師父。」
「私からもお願いするわ。」
「それは当然だ。仲間2人が死ぬなんて状況になっても助けない、なんて最低なやろうじゃないからな。」
!おそらく200Mほど離れたところにいるやつが…ターゲットだな。ふむ…強さでいえば、4級霊獣並といったところか。この世界のモンスターに内丹のようなものがあればいいのだが。あればモンスターを積極的に買っていく理由になるが…、それは討伐してからのお楽しみだな。
「ここから東に200Mのところにグリフィンを発見した。いくぞ」
「え?!もう見つけたの?!」
「本当に見つけたのか…?」
走り始めたオレについてくる2人。ミラは俺が教えているから当然として、コーネリアもなかなか早く動けるな。
「コーネリアはなにか特訓でもしてるのか?」
「え?ええまあいろいろしてるわ。槍に弓、短剣とかね。軽く魔法も使えるわ」
「ほう、それはそれは。お手並み拝見だな。」
「期待するほどのものじゃないわ。」
「!師父、いた!」
「よし、ミラ、コーネリア、できる限り戦い続けるんだ。死の間際に長くいればいるほど…得るものがあるだろうからな。」
「「わかった(わ)!」」
なかなかに苦戦しているが、2人とも致命傷を負う攻撃だけは避けている。それに…決め手はかけているが、2人のほうが押している。コーネリアの実力もよそう以上だ。
「ライトニング!」
「ウオーター!」
雷魔法と水魔法を使って組み合わせている…まだミラは一人では複合魔法を使えないからな、コーネリアと協力して複合魔法に変化させたわけだ。やるな、グリフィンは体毛が多いから普通の攻撃は通りずらい…だが水で濡らした状態で雷を当てれば通りやすさも抜群、さらには感電に帯電までしているようだ。継続的なダメージも入るとなると…もしかするとだが、俺の出番はないかもしれないな。…まてよ、こちらに何か大勢で向かってきているな、いったいなんだ?
「…これは、グリフィンの群れ、か?」
神通で見通してみると、向かってきている大群が全部グリフィンだということがわかった。
「これはまずいな…、2人はまだ気づいていないし、俺一人で十分殲滅できるがその間に二人が危険になるかもしれない…。いや、ここは2人を信じるか。それにいざという時のための呪符も渡しているからな。」
「雷秦歩法、避劫歩!」
俺はまっすぐグリフィンの群れに走り始めた。今使っている歩法は天劫を避けられるほどの速さを持つといわれている歩法で、速度のみを重視し、周りへの影響を一切気にしないものだ。そのせいで草木が薙ぎ払われているが…すまないな。よし、接敵する!
「速戦即決で行く!覇剣真功、開天仙起!」
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