第13話 師匠の指導の始まり

 私の名前はミラ。ギルドマスターであるクラウディアの娘だ。私とママは血がつながっていない。けど愛情をもって育ててくれてる。そんなママに恩を返すために、ギルドの手伝いとかよくしてたけど、それよりも私自身が冒険者として活動したほうがママに恩返しできると思った。だからママによく私に師匠をつけてほしいと頼んでたんだけど、ママは首を縦に振らなかった。なんでも私をきちんと強くできて、強くなるまで守ることもしてくれるような人は心当たりがないそうだ。でも今回ギルドに現れた仮面の少女、天老君のことを見たママが、彼女と一緒なら冒険者になってもいいといった。まだ私とそんなに変わらなく見えるのに、ママが今まで渋っていたのがウソのように許可を出した。ママはこの人に何を視たんだろう。声も変えてて仮面もしてて、怪しさは満点だけど、話してみたらいい人そうだったし。でも師父って呼んでくれって言われて、師匠みたいな意味かな?って思ってはいるけどそれは聞いてない。そうした細かいことまで聞くのは、この人の人となりをしっかり把握して、仲が良くなったらにしよう。ま、意味ぐらい今すぐに聞いてもいいんだけどね。それにある程度実力が付いたあとでも指導してくれるって言ってくれてるし、ひょっとしたらものすごい長い付き合いになるかもしれないから、いい人だといいな。あと…これは少し違和感を感じる程度なんだけど、所作とかがすこし気になる。どことなく女の人には感じないっていうか…でも男っていうのもあれだけ力があるからありえないと思うし。うーん、なんでなんだろ?でも女であろうと男であろうと、どことなく師父のこと気になるんだよね。落ち着いた感じだからかあれだけ強いからかわからないけど、ま、恋ってほどじゃないし、ほんの少し気になるってくらいだし。そんなに考えることでもないや。とりあえず今は強くなることを考えないと!あ!師父が急げって呼んでる!とりあえず早く行かないとね!

 

  そうしてキラーラビットがよくいるといわれる場所に到着した。道中魔物が何体が出てきたけど、師父が浮かばせてた剣で一瞬で消しちゃった。こんなこと指導してもらってできるようになるのかな?

 

「ミラ、さっそくだが君はどんな武器を使うんだ?それか魔法か?」

 「んー、私はまだ決まってないんだ。ママみたいに魔法使いになりたいとも思ったけど、剣を試しに振ってみたときにやけにしっくりきたんだよね」

 「ふむ…じゃあミラは魔力はあつかえるのか?」

 「うんそう。」

 「なるほどな…、魔法使いになれる素質はありながら剣が手になじむという事か…。とりあえずどちらも扱うところを見せてくれ。ちょうど…殺人ウサギもきたみたいだからな」

 「えっ?いきなり?」

 「ああ、ここまでくる道中は俺が処理していたから体力は有り余っているだろう?」

 「それはそうだけど…、私今回が初めての依頼だよ?」

 「そうか、奇遇だな。俺も初めてだ。」

 「師父は実力があるでしょ!私は軽くママに魔法を教えてもらったのと、軽く素振りしただけなの!」

 「安心しろ万が一の場合は助ける。それにクラウディアに教えてもらった魔法があるなら大丈夫だと思うが。…、そんなに心配ならやめておくか?また日を改めてもいいぞ」

 「うーやる、やるよ!ところで…なんでママのこと名前で呼び捨てなの?ママの個人的な友達しか、そんなふうに呼んでるの聞いたことがないんだけど?」

 「そうか、じゃあおれはミラのお母さんの友人なんじゃないか?」

 「会ってからまだ一日しかたってないのに、もう友人になったってこと?」

 「まあ、大人にはいろいろあるんだ」

 「?まだ師父も子供でしょ??何言ってるの?」

 …、こっちは魂年齢数十万年だけどな。

 「まあなんでもいいから、とりあえず…そうだな。魔法から使ってみてくれ。」

 そのあとも釈然としない感じを出していたが、おとなしくキラーラビットのほうに向かっていった。はたしてどれほどの実力か…、まあ少し教えてもらっただけといっていたから、キラーラビットを倒せなくても全然不思議なことでは…。

 「アイスショック!」

 そんなことを考えていたのに、ミラはキラーラビットを一瞬で凍らせてしまった。

 「師父~!とりあえず魔法はこんな感じ~!」

 これは俺と同じで魔法とオーラを同時に使えるようになるかもな。ミラの剣を持った時のしっくり来た感覚が正しければだが…。

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