変態、白良技界夜《しららぎかいや》と真面目で気丈な? 生徒会長な幼馴染女子、田笹木悠乃《たささぎゆうの》

ハクアイル

第1話 変態と幼馴染

 ──ある朝の登校─


 白良技界夜しららぎかいやはいつものように叫んでいた。

 

悠乃ゆうの! お前の足を舐め、じゃなかった眺めさせてくれーーーー!! ──!?」


 大きな音がした。

 界夜の顔面は地面に伏していた。


「──なんて?」


「だ、だからお前のぉぉぉおおおお”お”お”…………」


 思いっきり踏まれている

 なんとか首を動かし、踏んでいる先に目線を向けた。


「──悠乃……油断したな! ピンクのパンツが丸見えだぞ!!」


「…………──で?」


「──だ、だから見えたっ……て……」


「見せパンを見てそんなに嬉しいの?」


「お前に恥じらいとかないの……?」


「恥じらい? 恥じらいは好きの人の前ですればいい……あんたに恥じらいを感じる訳ないでしょ」


 冷たい視線を向けられた界夜は──


「──す、すみませんでした……」


 素直に謝った。

 悠乃は今一度踏みつけると、そのまま界夜を置き去りに学校に向かう曲がり角を曲がった────

 

 すると────

 即座に真っ赤な顔を押さえて蹲った──!


(ピンクは見せちゃダメなやつだったーーーー!!!!!!)


 悠乃は全身で恥じらいを感じていた

 後を追う様に界夜が曲がり角を曲がって来た。

 悠乃は蹲っている。


「──なんで蹲ってんだよ……?」


 悠乃は平静を装い気丈に答えた。


「蟻の観察をしてたわ」


「お前……時々変だよな……」


 下を向く悠乃の顔の赤はいまだに引いていなかった。



 ──体育──

 男子、バスケ──女子、バレー。


 〈男子側〉

「おい! 見てみろよ! 田笹木たささぎさんの胸! もの凄く弾んでるよなぁ〜」


「マジでスッゲー! 何カップだよ!」



 〈女子側〉

「ねぇ……悠乃ぉ……。男子がエロい目で見てるよ……」


「別に気にならないわ。思春期の男子はそんなもんでしょ?」


「まぁ……そうかもだけど……あ! 白良技界夜変態が何か言ってるよ….」



 〈男子側〉

「悠乃のあれは俺のだからなーーーー!!」

 


 〈女子側〉

「──っ言ってるけど……」


「ほっとけばいいわ……」



 〈男子側〉

「もしかしてお前触ったことあんのかよ!?」


「そりゃあ、あるに”ィィィィイ”イ”イ”ーーーー!」



 〈女子側〉

「珍しいわねぇ〜。悠乃がサーブ外すなんて」


「そういう時もあるわ」


 悠乃は顔を赤くしながらキレていた。


 ──昼食──

 屋上にて……2人でお弁当を食べている


「なぁ悠乃? 頼みがあるんだけど?」


「なに?」


「見せパンでいいからもう一度見せてくれ。こっそりスカートの中に顔を入れるから!」


「嫌よ」


「見せパンなんだろう?」


「見せパンであっても、あえて見せるものではないわ」

 

「恥ずかしいのか? やっぱり? 恥じらいがあるのかぁ〜?」


「──見たいなら見れば……」


「そっか。じゃあ!」


 界夜はスカートの中に顔を突っ込んだ。

 目の前にはピンクが広がっている。


 悠乃の視界は自らの両手で塞がれ、天を仰いだ顔のその隙間から紅潮した頬が見えていた。


(あーーーー! 息遣いが伝わってきてるぅーー!)


 

 ──下校時──

 生徒会の仕事が終わった悠乃を、両手に紙コップを持ってなぜか待っている界夜


「お疲れさん! 悠乃が何カップか分からなかったからテキトーに判断したよ!」


「──私のカップはDよ」


「え? 紙コップにDってあんのか? ……? なに蹲ってんだよ……?」


(胸のサイズじゃなかったぁぁぁぁ……!)


 界夜の死角で顔を真っ赤にしている悠乃。


「──建物の耐久年数を調べてるだけよ……」


「なんだよ……いきなり……。やっぱり時々変だぞ」


「放っておいて!」



 ──夜、お風呂にて──

 家は隣同士、両親とも仲がいい。

 母親に頼まれ悠乃の家へお届け物。


「こんばんはぁ〜! おばさん! うちの母さんから届け物だぜ!」


 悠乃の母親はお礼を言う。


「悠乃に話したいことがあるんだけどどこにいる?」


 お風呂だと返事が返って来た。


「じゃあお邪魔します!」


 悠乃の母親は疑問を浮かべながらも界夜を止めず、まぁいいかと見過ごした。

 程なくして、悠乃のいるお風呂場のドアが開けられた。


「悠乃! 話しをする前に見に来たぞ!」


 目の前には一糸纏わないパーフェクトボディーの悠乃が無表情で立っていた。

 そして一言「何か用?」と言った。


「──お前さぁ……。俺が言うのも何だけど、本当に恥じらいないのかよ……」


「──朝も言ったように、『恥じらいは好きな人の前ですればいい』の。あんたには恥じらいを感じる訳ない。寒いから、ドア閉めてくれる」


「ああ、悪かったよ……」


 界夜は悠乃の母親に一言挨拶を交わし、家へと戻った。

 界夜が去った風呂場では、全身真っ赤にし、裸のまま顔を押さえ恥じらいを体全体で表現して蹲り、言葉にならない声を上げている悠乃の姿があった。


 この事は当然界夜は知ることはなかった。


 2人の関係性がどう進展するのか気になる所。

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変態、白良技界夜《しららぎかいや》と真面目で気丈な? 生徒会長な幼馴染女子、田笹木悠乃《たささぎゆうの》 ハクアイル @Hakuairu

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