無垢の薔薇
デンジャラス樹麗穴には癖がある。
一つ目は好みの男を見ると衝動で尻を揉みに近付いてしまう事。(毎回コヨリちゃんに止められる)
二つ目はおっぱいアイスの中身を気に食わない男の尿道に詰めてやる事。(毎回偉い人に怒られるがすっとぼけて爪を見ている)
三つ目は、『欲しい』と思った事をなんでもかんでも口に入れてしまう事である。
苦くてとても飲めそうにない珈琲があればどうするだろうか。普通ならば、砂糖やミルクを珈琲に入れるのを、彼女(彼)は口の中にドバドバ入れて、うがいをした後飲み込む。
つまりは。その時点で『欲しい』と強請ったものを、たとえ無機物であろうと、寄越したくはないということで、彼女(彼)は、儚く甘美な糖分となる砂糖の一粒であろうと、液体に寄越したくないのだ。
デンジャラス樹麗穴とは強欲の象徴である。
デザートに飾られた、小さい薔薇の蕾を見て、こっちこそが自分が食べるに相応しいものなのかもしれない。と、デザートをそっちのけで薔薇に食らいつき、ペロリと平らげる。
誰かと食事に来ていれば、急に相手の頼んだものが自分に相応しいものだとなる。
『欲しい』と思ってしまえば、勝手に変えて食べ始めてしまう為、相手は気を悪くして樹麗穴に怒鳴る事だろう。
しかしまぁ、樹麗穴は無意識にそれをやってのけてしまうが為に、キョトンとして、『この人はどうして怒ってるんだろうか』と考えてしまう。
相手が長年の付き合いであるコヨリちゃんだとかだったら、『いつもの事か』で済むので、樹麗穴には相手の気持ちが一切伝わらない。
彼女(彼)は怒鳴る相手を尻目に、一人で食事を楽しむばかりである。
デンジャラス樹麗穴とは無垢の薔薇である。
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