第8話 宇宙旅行へ。

 何度もトイレに行きたくなる愛さん。

 私たち職員が忙しく走り回っている様子を見て、「トイレに行きたい」という一言がなかなか言えずにいます。


 車いすに座りながら、後ろを振り返る。この行動がトイレに行きたいサイン。そこで、「愛さーん、トイレ?」と尋ねると「んだ」って返ってきます。


 愛さんのところに行くと「忙しいべ? んだどもトイレさ行きたくてなぁ」と、申し訳なさそうな顔をして言います。だから私は、愛さんの気持ちを軽くするために「なぁんもだよ。さっ、一緒にトイレという宇宙に行こう!」と、こう返します。そして、同じテーブルに座る人たちに「ちょっと、二人で宇宙旅行に行ってきまーす!」って、ご挨拶。


 こうすると、みんな和んで笑いが起きます。


 カクヨムで培われた想像力が介護に活かされる瞬間! かもしれません( ´艸`)

 

 


 

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