第4話 へっぽこです。
はい!
へっぽこ介護士の月猫です。
介護士には、整容のお仕事があります。
が、正直に言うと、爪を切ったりお髭を剃ったりする時間がなかなか確保できなかったりします。
男性の髭剃りなんかしたことのない月猫は、この仕事を始めてから三回ほど電気カミソリでウィ~ンしてみました。なので、髭剃りが下手です。
その日の朝は先輩方がめちゃくちゃ忙しかったので、面会前の利用者さんの整容をかってでた月猫。そこまでは、偉いぞ私。なんて思っていたのですが、なんせ経験不足。しかも、時間がないという状況。
『うん? 毛の流れに逆らうように剃ってるけれど、綺麗にならない! なんか、なんか、無精ひげっぽくないかい?』
不安しかない私に、仲の良いおばあちゃまが声をかけてくれました。
「おぉ、綺麗になった。男っぷりあがったなぁ」
「ほんと?」
「うん」
この会話により、月猫は一抹の不安を残しながらも髭剃りを終えました。
が、両方の鼻の穴からは、鼻毛が一本ずつ出ているではないですか。
「せんぱ~い! 鼻毛どうしたらいいですか? 鼻毛を切るハサミも鼻毛カッターもここにありません」
「えぇ~! 仕方がない、鼻毛は穴に押し込んで!」
ということで、押し込みました。
面会終了後、先輩からこう言われました。
「月猫さん、整容してくれてありがたいんだけど、これ、ひげ剃ったことにならないなぁ。マスクしてたから、大丈夫だったけど」
「ですよね。もっと、練習します……」
月猫は、こんな感じで日々やらかしております。
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