美少女な擬人化月曜日ちゃんが迎えに来た~日替わりで毎日違う女の子が俺の部屋にくる、毎日違う美少女を連れてる俺、なぜか学園の女たちにもとつぜんモテ出すがもう遅い
第5話 火曜日は帰り、水曜日がやってくる
第5話 火曜日は帰り、水曜日がやってくる
ほむらとゲームをやっていたら時刻は23:50となっていた。
「そろそろオイトマの時間でござるな」
すくっ。
ほむらはコントローラーを置いて立ち上がった。
スタスタスタ。
月と同じように押し入れの前まで歩いていく。
そしてスッと押し入れを開けると、しゃがんで下段に入る。
最後に正座でこちらを見た。
「お疲れ様でござった。また来週でござる主殿。次週くらいに火曜日ちゃん大好きと言わせてみせるでござる」
スッ。
両手で押し入れを閉めていった。
「風呂でもいくか」
俺はゲームの電源だけを切りコントローラーをそのまま放置して風呂に行くことにした。
風呂から戻ってきて部屋の前へ立った。
ブイィィィィィィィィン、という音が聞こえた。
(なんの音だ?これ)
ほむらは言っていたな。
『水曜日はスイという子が来るって』
それから考えたらまた新しい女の子が押し入れから出てきてるんだろうけど。
俺は扉を開けてみた。
「お、おかえりなさいませっ!ご主人様っ!」
ぺこりっ!
俺を見て頭を下げる女の子。
メイドの姿をしていた。
髪色は青でショートカット。
フリフリしたメイド服に身を包んでいるカワイイ系の女の子だった。
歳は15歳くらいだろうか?
その子が俺の部屋を掃除機を使って掃除していた。
「ご主人様、このスイが勝手ながら掃除をさせていただいております」
「別にいいけど」
俺が散らかしていった部屋はすっかり綺麗になっていた。
ゲームはゲーム機入れに。
コントローラーはちゃんと充電してくれていた。
(なんだ、このメイド……優秀すぎるぞっ?!)
「これで、よしっと」
スイちゃんは壁際に掃除機を置くと、とてとてと歩いて俺の方に来た。
「これでどうでしょうか?ご主人様」
「とてもいいよ、素晴らしい」
「良かったです。ご褒美に褒めてください」
「エラいぞ」
俺はスイちゃんの頭を撫でた。
「ご主人様ぁぁぁ〜♡」
俺に抱きついて胸に頭を埋めてきた。
ズキューン!!!
(これは、かわいいわ……)
ごめん、あんまり言いたくないけど言わせてもらう。
今までの曜日共とは違ぇわ……。
水曜日ちゃんがナンバーワン!
(なんて、家庭的なんだ、水曜日ちゃぁん……)
俺はつい考えてしまった。
水曜日ちゃんと結婚したあとの人生を。
仕事でクタクタになって帰ってきた俺を水曜日ちゃんが出迎えてくれる、そんな日常。
『おかえりなさいませ、ご主人様♡』
『水曜日ちゃぁぁぁぁん……疲れたよぉ……』
『1週間のうち、もう3日も過ぎましたね。お疲れ様です。今日はたくさん、癒してあげますからね』
そんな風景を妄想して俺は気付かないうちに「ふへへ」と声を漏らしていた。
水曜日ちゃんの料理うまそ〜。
そう思っていたら、「ぐ〜」とリアルで腹の虫が鳴いた。
「おなか、すいたのですか?ご主人様」
首を傾げて聞いてきた。
「あー、うん。おなかすいちゃった」
「キッチンお借りしてもいいですか?」
「もしかして、料理をしてくれるの?」
「はい。もちろんです。ご主人様のお世話はすべて私が行いますので」
にっこりと笑顔を浮かべてくれたスイちゃん。
「水曜日ちゃん最高!!!!!!大好き!!!」
思わず叫んでしまった。
◇
スイちゃんといっしょに俺はキッチンに向かった。
「なにか食べたいものはありますか?」
「ハンバーグ食べたい」
「了解しました♪」
冷蔵庫の中を見るスイちゃん。
ガサガサと冷蔵庫の中を漁って必要なものを取りだしていた。
ひき肉をこねていくスイちゃん。
(小さな手で必死にこねている姿がなんだか萌える)
普段こんなこと思わないんだけど、この子にはそう思わせるなにかがあった。
ハンバーグをこねるとフライパンの上に載せて焼き始めた。
「すっげぇ……いい匂い」
「ふふふ、それはよかったです。ご主人様の口に合うように頑張ります」
椅子に座ってワクワクしながら待っていると。
「お待たせしました。ご主人様、ハンバーグです」
デーンと大きなハンバーグが出てきた。
「デミグラスソースを作りました。おかけしても?」
「もちろんっ!」
トローッ。
スイちゃんはハンバーグの上にソースをかけてくれた。
よく見ていると、ハートマークを描くようにソースをかけてくれていた。
「召し上がれ♡」
フォークとナイフで切り分けて口に運ぶ。
「うめぇっ……」
涙出てきた。
こんな美味いもの食べたの初めてかも。
「あ、申し訳ございませんご主人様」
「どうかしたの?」
「ご主人様のお手を煩わせてしまいましたね。ナイフとフォークをお渡しいただけますか?」
「まさか……」
期待が高まる。
カチャカチャ。
スイちゃんはハンバーグを切り分けてくれた。
そして、俺の口にハンバーグを運んでくれる。
「あ〜ん♡」
「幸せすぎるだろ、これ……」
涙を流すとかそういうレベルを超えていた。
もはやダムが決壊したように泣いていた。
「スイちゃん、最高すぎるよ……」
「お褒めくださってありがとうございます♡はい、あ〜ん」
「あ〜ん♡うめぇ……」
俺は呟いた。
「もう、死んでもいいぞこれ」
「死んではいけません。私は悲しいですよ、ご主人様」
「うそ!生きる!まだまだ生きる!俺はスイちゃんと共に生きるんだぁぁあぁぁあ!!!」
俺のキャラが崩壊してきたような気がするがスイちゃんのかわいさの前では小さな問題である。
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