第16話

『俺が神威と呼ばれる化け物を倒したのは2回。

1回目はAA社で頭に角が生えたウサギモドキ。姫美に家まで送ってもらった日だ。

2回目は一昨日の金曜日のコウモリ。これはみんないたから説明は不要だな』

話ながら俺はバックに入れていた持ち物を取り出す。

『神威を倒すと頭の中に数字の羅列が浮かび上がるんだが、直ぐに消えてしまった。

ただ、昨日ショワと契約をするとスキルっていうのが取得できてそれを使うと

いつでも頭の中の数字の羅列を見ることができるんだ』

そういって、俺は1枚の紙を姫美と泉に渡す。紙にはこう書かれている。

HP 20

MP 1

STR 30

ATK 30

VIT 20

DEF 15

INT 25

RES 6

DEX 10

AGI 20

LUK 30

スキル 情報の可視化

装備 -

『これなんですか?先輩。まるでゲームみたいじゃないですか』

『そうなんだ。ゲームのパラメータみたいなんだ。しかもウサギモドキを

倒したときや、コウモリを倒したときより少し数値が上がっているんだ』

泉に質問に答えていると、八王子も質問をしてきた。

『立川さん、あなたは格闘技などを何か学んでましたか?AA社の時初めて

お会いしたときにも感じましたが、一般人とは少し違うようです』

『俺は小、中、高と野球はしていたが格闘技は何も学んでいない。野球も

甲子園なんて夢のまた夢の予選3回戦敗退だしな』

考え込んでいた姫美が手を挙げている。それはずっと継続するんだな。

『達人、この数字の羅列はいつでも誰でも見ることができるの?

できるのであれば、八王子のパラメータを紙に書いて』

そう依頼しながら、ポシェットから高そうなボールペンを取り出す。

スマホ以外入らなさそうな小さいポシェットだけどボールペンは

入れているんだな。流石は大企業の役員。なんて関心しながら

ボールペンを受け取り八王子を見ながら情報の可視化と念じた。

八王子をみながら紙に数字を書いていく。

HP 40

MP 0

STR 45

ATK 60

VIT 40

DEF 35

INT 18

RES 5

DEX 25

AGI 25

LUK 5

スキル 剣術Lv3、狙撃Lv3

装備 警棒+10

紙を書き終えたあとに、姫美と八王子が驚愕している。

『数字の信憑性はまだ不明だけど、装備に書いている警棒は

折り畳み式で普通は気付かないはずなのだけれど』

俺はボールペンを姫美に返した。こんな高そうなボールペンを

壊しても弁償なんてできない。

『頭に見えた数字や文字を書いただけだから、どこに警棒があるなんて分からない

狙撃なんてスキルも物騒だな』

『八王子はそれなりに名が売れた元傭兵なの。お父様が手配してくれたのよ。

流石に普段は銃なんて持ち歩けないわ』

『話をするだけなら昭和記念公園に集まる必要もない。なのでまずは

チョット俺の運動を見ていてくれ』

俺は取り出したバットを手にした。


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