第12話

まずはショワと情報の共有を行うことにした。

お互いの情報レベルを合わせないと物事うなくいかないからな。

『改めて、俺は立川 達人(タチカワ タツヒト)だ。達人って呼んでくれればいい』

『タツヒィト?、言い難い!タツって呼ぶわ』

勝手に愛称をつけられてしまった。

まあ、呼び方なんてどうでもよいからいいか。

『好きに呼んでくれ。職業はシステムエンジニアをしている』

『それってどんな事をしているの?』

『この部屋をみてくれれば分かる通り、ネットワーク機器というものを使って

情報を伝達する仕組みを作るという事をしている』

『すごいじゃない。じゃあ情報を好きにいじれるのね』

『情報をパケットという単位にしてどこに届ける、届けないは制御できるが

情報の中身自体をいじることはしていない』

まあ、わかりずらいよな。この業界外の人に説明するときも一苦労だ。

『まあ、細かい話はいいわよ。重要なのはどこにいけば情報を入手できるかよ』

こいつとんでも無いことを言い出したぞ。

『情報は重要な資産だ。お客様の情報を勝手に入手することは基本できない』

『それだと困るのよ。私は情報を集めろって指示を受けているの

その指示を行わないと大変なことになるって事だけはなんとなく分かっている』

やはり曖昧で明確でないな。

『ショワはいつまでにどんな情報が欲しいんだ?』

『まずはこの星の現状の情報の整理。どんな問題が発生していてどのように解決

していこうとしているかね。これがどんなに遅くても今度の12月まで』

今は4月だから8ヵ月後か。

『なんでそんなに忙いでいるんだ?』

『大変なことの中身まではわからないって言ってるでしょ。でもこれをしないと

3年後以上先のビジョンが見えないのよ』

『おい、それって暗に3年後に地球が滅亡するって言っているのと同義じゃないか』

この妖精、やはりとんでも無いことを言っている。

『すでに予兆が現れているはずよ。私と違って変な生き物が情報を

食べているはず。それを辞めさせることから始めるのがいいわ』

『どちらにせよ俺一人では無理だな。協力者が必要だ』

『なのでまずは現状を確認して協力者を探すところからね』

まあわかったような、わらないような事だが俺が一番気になっているのは

『ショウの姿は周りにどうみえるんだ?流石にこの状態で外を歩けば

お前は捕まり解剖とかに回されるぞ』

そして併せて俺も変人扱いで身柄拘束かな。

『タツが許した人しか私の姿は見えないよ。声も聞こえない』

それって周りからみたら俺はブツブツ独り言を言ってる怪しいやつだな。

そういえば、小さい頃独り言が多いとよく言われた気がする。

俺は会話しているつもりだったのに不思議に思っていた。

今はスマホがあるから、ショウと話すときはスマホで通話している振りをすればいいな。

『了解した。協力者は心当たりがあるから連絡してみるな』

『それよりタツ、あなた既に情報を食べている生き物を倒しているわよね』

伊達にINTが高くないな。やはりこいつは察しがいい。

『そうだな。俺は既に2匹神威という化け物を倒している』

『神威?あーあなた達はそう呼んでいるのね。ホントは一律ではないのに』

最後の方はあまり聞き取れなかったが、神威=情報を食らう化け物のようだ。

『あなたはまず自分の力がどのぐらいなのかを把握しなさい』

偉そうに妖精は言い放った。

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