お嗤い芸人

第1話 その男の名は山北浩二

私はお笑いが結構好きだ。


90年代からダウンタウンや爆笑問題の番組は放送していればたいてい観るという感じであり、M1グランプリは毎年欠かさず見てるし、サンドウィッチマンなんて同世代ということもあって大ファンだ。


だが、私は知っている。

昔、こうした超メジャー級に勝るとも劣らぬお笑い芸人がいて、その男の芸を身近で堪能できた幸福を。


その芸人は存在や言動自体が芸であり、演じる芸はとてもTVでは表現できない面白さだった。

二十年以上経った今に至ってなお、現実世界でもTVの中でもその男を超える芸人は私の記憶では存在しない。


その芸の面白さを堪能するにはとてもじゃないが番組の放送時間やライブではカバーできないほどの長い仕込みを必要とし、それを経て我々に披露した芸は笑撃の極み。

何十年経っても思い出しても笑えるという不変の名作である。


その芸人の名は山北浩二。


私が山北と出会ったのは2001年6月初旬のY運輸南東京ベース店、そこで倉庫内作業の夜勤アルバイトとして働いてた時だ。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る