第4話 土の盾
ゲイルは厚い城壁の上に立っていた。彼女の視線は遠くの地平線に向けられ、迫り来る敵の軍勢を睨みつけていた。彼女の足元で、大地がわずかに震え、その力強い意志が土を操る彼女の能力と調和していた。
「壁をもっと高く!」ゲイルが部下に命じると、彼らは即座に行動を開始した。彼女の手から力が溢れ、城壁は目に見えて高く、厚くなっていった。
突然、遠雷のような騎兵隊の蹄の音が聞こえてきた。リオン、シーラ、ナリがゲイルのもとへ駆けつけたのだ。彼らの顔は決意に満ちていた。
「ゲイル!」リオンが呼びかけた。
「我々が来たぞ。力を合わせて戦おう!」
ゲイルは彼らを一瞥し、頷いた。「ありがとう、リオン。君たちの力があれば、もっと強くなれる。」
敵が接近する中、シーラが前に進み出て言った。「私の火で攻撃路を遮りましょう。ゲイル、土で障壁を作って!」
「了解だ」とゲイルが応じ、地面を力強く叩くと、土から壁が次々と生まれ、炎と共に敵の進路を阻んだ。
ナリも加わり、「傷ついた者が出たら、私が治療する。皆の力が結集すれば、きっと勝てる。」
戦いが激しさを増す中、ゲイルは深く呼吸し、周囲の土に話しかけるように命じた。
「大地よ、私の呼び声に応えて、守りを固めてくれ!」
地面が応答するかのように揺れ、新たな土の壁が敵を圧倒した。リオンとシーラがその隙に攻撃を加え、敵は次第に後退を始めた。
戦いが一段落すると、ゲイルはリオンたちに感謝の言葉を述べた。「君たちのおかげで、城を守り抜くことができた。これからも共に戦おう。」
「そのためにここに来たんだ」とリオンが言い、ナリとシーラも同意のうなずきを交わした。
四人はその夜、城壁の上で未来について語り合った。ゲイルはついに自らの役割を見つけ、リオンたちと共に世界の平和を守るための大きな戦いに参加する決意を固めたのだった。彼らの絆は、土のように固く、火のように熱く、水のように深いものに成長していった。
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