第3話 水の誓い

静かな湖畔の村、そこでナリは彼の特異な治癒の力を使い、病に苦しむ人々を癒していた。彼の手から滴る水は、傷ついた肌に触れると、まるで魔法のように癒しの力を発揮した。


「大丈夫ですよ、これで痛みが和らぎます」とナリが柔らかい声で言いながら、老婦人の腫れた足に水を垂らした。その水に触れた瞬間、腫れが引き、婦人の苦痛の表情が和らいだ。



「ナリ、あなたのおかげでまた畑仕事ができるわ。神に感謝だ」と婦人が感謝の言葉を述べた。



その頃、リオンとシーラはナリの噂を聞きつけ、彼を探しにその村へと向かっていた。彼らが村に到着すると、ナリが治療を施している場面に遭遇した。



「すごい力だね。君がナリか?」リオンが驚嘆しながら声をかけた。

ナリは振り返り、少し戸惑いながらも答えた。「はい、そうですが…あなたたちは何者ですか?」



シーラが前に一歩出て、温かく笑みを浮かべて言った。「私たちはあなたと同じ、特別な力を持つ者たち。世界を救うために各地を旅しているの。あなたの力が必要なのよ。」



ナリは少し考え込むように沈黙し、その後静かに言葉を綴った。「私の力が、本当に世界を助けることができるのなら…。」



「そうだよ、ナリ。一緒に来てくれるかい?」リオンが優しく手を差し伸べた。

ナリは深く息を吸い、決意を固めると、二人の手を取った。



「分かりました。私も、この力で何か意味あることをしたい。あなたたちと共に行きます。」



その瞬間から、ナリは新たな仲間と共に旅立った。三人の力が合わさることで、彼らの絆はさらに強まり、その力はより大きなものへと成長していくのであった。それはただの治療以上の、真の癒しとなる旅の始まりだった。

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