第2話 火の歌

火が彼女を取り囲むように踊る中、シーラは静かに歌を口ずさんだ。その声は暖かく、心地よい炎のように村の人々の心を満たした。しかし、その美しいメロディーにもかかわらず、彼女を恐れる目が多かった。



「また火遊びか、シーラ。いつか大変なことになるぞ」と一人の村人が冷たく言い放った。



シーラは深く息を吸い込み、静かに反論した。「私の歌は、ただの遊びじゃない。これが私の生きる道なんです。」



その夜、突如として村は野獣の大群に襲われた。村人たちは恐怖に震え、逃げ惑った。火の力を恐れる村人たちも、シーラの力が必要だと感じざるを得なかった。

シーラは立ち上がり、彼女の歌が高らかに響き渡った。「炎よ、私の声に応えて!」彼女の呼びかけに応じるように、火は彼女の周りでより大きく、より明るく燃え上がった。



「見ててください! 私の力が、皆さんを守るんです!」シーラの声は力強く、その炎は彼女の意志に従って野獣たちを追い払った。

野獣が退散した後、村人たちの態度は一変した。「シーラ、ありがとう。君の力を誤解していた」と村の長老が感謝の言葉を述べた。



その頃、リオンは旅の途中でシーラの噂を耳にしていた。彼はその力強い歌声と火の使い手としての彼女の能力に興味を持ち、彼女を探しに村へと向かった。

リオンが村に到着したとき、シーラはちょうど火のそばで新しい歌を紡いでいた。彼女の周りは暖かく、歓迎するような雰囲気に包まれていた。



「シーラ、君の歌は本当に美しい。君と一緒に旅をして、世界を救いたい。僕と来ないか?」リオンがそっと提案した。



シーラはリオンの真剣な眼差しを受け止め、彼女の心は決まった。「はい、喜んで。あなたとなら、どこへでも」と彼女は答え、二人の新たな旅が始まった。

火の歌姫と風を操る若者の力が合わさった時、彼らの冒険は新たな章へと進むのだった。

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