これからの事3

「それでどうするんだ?」


「まだ続いてた?」


「当たり前だ!

結局あれをどうするのかさっぱり分からん。」


「父さんさ……。

よくそれで団長やってるよね……。」


「分かっているんだ。

ダメダメなのは……。」


「それはそれでどうなのさ!?」


「それでも補佐してくれるやつが優秀だから問題は無い。」


「それさ……他力本願って言うんだよ……。」


「息子の癖に……。

こんな父親でも誇ってくれていいんだぞ?」


「誇れる所が微塵もない…………。

それでも人望はあるだろうなぁ……。」


「まぁな……。

結局あれは国に突き出すのか?」


「当たり前!

俺達が受けた仕打ちに対しては生ぬるいけどな……。」


「法の下で裁かれた方が双子の忌み子説を信じるものは消えるだろうな。」


「それも狙ってるよ。

それでも俺たちの下に兄妹が必要だけど……。

他国で口説いてこいって思ってる。 」


「辛辣すぎるな。

次があるのなら跡継ぎを産む存在としてでなく愛したいものだな。 」


「はいはい。

何故親の恋愛話を聞かなきゃならないんだ。」


「俺はな……。忌み子説を信じてるような人を受け入れたくはないんだよ。

アトラはきっと何があっても守るって言うかもしれないがな。

それってアリアにとって幸せか?」


「そうですね……。

俺の大事な片割れの妹が幸せだと感じないのであれば……。

国も世界も要らないんじゃないんじゃないんですかね……。」


「破滅を望むな!

アイラを行かせた他国には癒し手と言われる人物が居るらしい。

その人に俺は会ってみたいかな…。

アイラ程でないにしても女神様に愛されてる人物であると俺は思ってる。」


「……なっ!?

国が違えばそんな人が!?

もしかして他国には忌み子説は全くないとか…。

いや…。

もしかしたらここより父さんが知ってる話を国として知ってる可能性があるとか?ってないですかね?」


「もしかしたらって可能性はあるな。」


「だから行かせたんですか?」


「あれのそばにいるより世界を見せてやりたかったのもあるかな…。

不安がない訳では無い。

アイラを迎えに行くまでに片付けるか。

7歳児に頼む事では無いけど…。」


「もちろんやりますよ。

必要な書類作成とかは俺の方で用意するんで出来たら父さんが書き直してくださいね。」


「わかった。

その書類を王まで持っていかなきゃならないのは荷が重いがやるしかないからな。」


「お願いします。」


「しかしだ…。

世に双子以上が産まれなくなった原因ってのもはるか昔の忌み子説が原因だとは…。

あまり考えたくは無いがお前達2人を見てるとこれから増える気がするな…。

国としての対策も必要になるかもな。

もしかしたら辺境のこの土地のみに増える可能性まである。

その時までにやるべき事は山積みだな。

昔の人達が対策作っといてくれれば多少楽できたのにさ…。」


「それは妹のアイラ次第にはなりますね。

やっとくだけやるってのも俺達2人が過ごしやすくなるんでやってください。

まさか出来ませんでしたって事が起きたら他国の方に2人で住みます。」



次第に怒りも落ち着いてきて口調は元に戻ってきた。



「子供達に捨てられるのは親としては悲しくなるからやらないで欲しいんだが……。

国を見定めるってのも天命なのかもしれんな…。

2人にとんでもない重荷を背負わせてしまうってのは俺としては歓迎できはしないな。」

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