これからの事2
「調子が戻ってきたようで何よりだが……。
少し怒りすぎだな。
冷静になれ。
感情に流されすぎるな。
それが出来た時こそ当主に相応しくなる。
そしてお前が守るべき存在を危険に晒す事が減らせるというものだ。」
「やけに冷静じゃねぇか。
俺達2人が我が子だと言ったのは嘘なのか?
今いったい何を考えてんだ?」
「冷静に見えるなら……そうしてるからだ。
お前が冷静じゃない今、冷静にならなきゃいけないのは親である俺だ。
アリアをここに残して魔法や魔力の勉強したらアリアが愛し子であるとバレる。
それを隠したいが為にあれの計画にのってやったんだ。
アリアを連れったのは俺側の御者だ。
なるべくアリアが歩かなくて済むすよう他国に近い距離にするように伝えてある。
俺とばぁやが用意した鞄も取られずに手元にあるはずだ。」
「随分と先回りした事で…。
アリアは無事だ。
だけどな……心の悲鳴まで共鳴して俺は……どうしたらいい……。」
「本当にお前達は運命共同体なのだな。
お前は家門についてどれほど知っている?」
「 (突然何を言い出すんだ?)
……えっ?
家門について?」
「そうだ。」
「(意図が全く分からない。)……どういう事?」
「全く……教師共はこの場所について何故何も教えないんだ!?
俺の事嘲笑ってるとしか思えんな……。」
「えぇっと……つまり?」
「ここは辺境と呼ばれる他国…いや…隣国に近い場所ってのは理解できるな?」
「う、うん?」
「辺境伯ってのがうちの爵位だ。」
「公爵家と同等であり、王家の次に偉い家門ってこと?」
「そうだ。」
「ちょっと……待って……!
情報整理させて!」
つまり?なんだ?
辺境伯が家門で王家の次に偉く公爵家と同等の家門で。
あの物語を継ぐ人を見極め代々語られてきたってこと?
必然的に最初の辺境伯は王弟殿下って事になるんだよね…。
ってことはつまり?
今は王位継承権は家門的にはないって事になる……。
だけど状況によっては王家の血が薄くなったとはいえあるって事だよね?
それはつまりアリアは…………。
愛し子でありながら王家に近い存在って事になる。
そして俺はアリアの為の騎士で物語聞いたから出ていけないし……。アリアは愛し子で嫁ぐってなっても俺の近くにいなきゃいけないわけで…。
近場の領地運営を任せることになり婿にくる人を迎えなきゃならないってことだよね。
あぁ……権力争いとかにアリアは巻き込ませたくねぇーーー!
「…………まとまった。」
「しばしの沈黙程嫌なものは無かったぞ。
なんせお前自覚ないだろうが百面相していた……。」
「仕方ないだろ!
理解するの大変だっただ!
それと……いつ言おうか迷ったけどさ……。
いつまで息子をお前呼ばりする気?」
「いやぁだって愛称を呼び続けるのもしつこいとか怒りそうじゃん。」
「いやいや!
大事な時ほど愛称で呼べばいいだろ!
父親なのにヘタレ!
辺境伯って事はうちは騎士ってこだろう?
騎士の癖に子供に対してへりくだるわ、愛称もまともに呼べないわってどんだけヘタレなんだよ!?
しかも7歳児相手にさ!」
「結構痛いところついてくるな。
俺は胸を張って言おう。
我が子供達に対してはヘタレになるのだ。」
「胸張って言うことじゃない!」
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