はるか昔の出来事……そして2

父さんは物語を話終えたあとどこか疲れたような事実を受け入れる準備をしているようなそんな感じ……。



「……だが残した方がいいと判断した先祖は受け継ぐに等しい当主にだけこの話を受け継いできたがそれすら消えていたとじぃさんはい言ってたな。」



俺も緊張するけどちゃんと言葉にしようと思った。



「父さん……。

大事な話をしてくれてありがとう……。

忌み子にしたてあげられた産まれたばかりの子供達にきっと女神様達は心を痛めてしまったんだね……。

俺……なんか分かるかも……。

きっと魔法使いは国も世界も壊したかったんだろうね……。

その先に何も残らないのに……。

歪んでしまった人だったんだろうなぁ……。

もしかしたらその魔法使い……双子の残された片割れだったのかもね……。

処刑が決まった時に女神様達から伝言を頼まれて命が絶たれる前に言ったんだろうね……。」


「お前はそう考えるか……。

父さんはな……。

切り捨てられていい小さな命は無いんだと思ったんだ……。

色々な理由があるのならば里子に出すなり、双子の為の法律を作って楽させてやればいいって思ったほどだ。

そんなに世間は上手くいかないってのも理解はしてんだよ。

ただ俺の元にお前達がきたってのもきっとこの話を知ってるからってのがでかいんだろうな……。」


「ただの偶然……いや運命だったのかも知れません。

父さん……。

俺アリアを護る騎士になります。

それが天命じゃ無かったとしてもきっとアリアは可愛い妹です。」


「腹が決まったみたいだな。

アリアは愛し子で間違いない。

そしてアトラはアリアが不幸にならない為に女神様達がつけてくれた騎士なんだと今なら納得出来る。

お前のアリアに対する執着は少し異常だ。」


「顔も見てないのに不思議でした…。

片割れの妹と思うにはなんか違う感じがあるし……。

もしかしてばぁやって人はその話を知ってるんですか?」


「いや、知らない。

妹に痣があるのは聞いている。

お前がばぁやを訪ね痣の事を聞いてきたり、言ってきた時は俺の所に言いに来るようにだけ伝えてある。」


「信頼されてるんですね……。

でもそんな方が愛し子を守ってると思うと嬉しいです。」


「お前なぁ……。

砕けた言い方でいいって言っただろう?

お前の言い方は怖いとすら思えるぞ。」


「そうですか?

俺はしっくりきてます。

話を聞いたら今のままではダメだと悟りました。」


「4歳児が悟りを開くな……。

全く……俺の子供達は頼もしいよ。

産んだだけにすぎないとか言うと世の女性に反感くらうかもしれんが……。

事実だからどうしようもないな……。」


「父さんは母さんと離縁して新たな人を娶った方がいいです。

それが俺と大事なアリアを守れる手段になります。」


「簡単に言ってくれるなよ……。

あの物語の内容は今じゃ俺しか知らないんだぞ。

論文としてまとめあげられた忌み子説の否定は読んだことはあるがな……。

あの物語のほんの一部だ。

あんな過去から双子は普通の子供なんだと浸透するのに年月がかなはりかかったんだ。」


「浸透している割には双子の片割れが忌み子として嫌う者がまだ残ってる事がびっくりです。」


「あれは世間知らずできっと馬鹿なのだ……。

周りが教えなかったのもでかいのかもしれないけどな。

今の世では双子の片割れを処分すした者には刑にかけられるな。

普通の子供を殺しただけでも刑になる。

要は犯罪者って事だが……。」


「理解出来ますよ。

そもそも俺達双子を引き離し妹を軟禁?……監禁して幽閉している状態ってのは犯罪だと思いますけどね。

俺はこの世界と国の知識が欲しいです。

父さん早いうちに教師をつけてください。」


「あぁ……。

そろそろつける予定で聞こうと思っていたがまさか言われるとはな……。

お前はどこを目指すんだか……。」

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