過去の思い出3
「……アトラよく覚えておけ。
力とはな……。
魔法属性も入るんだ。
あれは双子の片割れが忌み子でってだけで離した訳ではないんだよ。
あれは跡取りを作る為だけに嫁いできただけで世間知らずなのだ。
女の子は跡取りにはならないから要らなかったんだと思うんだ……。
でもな……。
子供はあと何人かは作らねばならない。
お前に万が一の事が起きた時の予備としての存在と領地以外につかなければならないものがあるからね……。
でも女の子が産まれた場合また増やさなければならない……。」
「ふーん。大人の事情?ってやつを俺に言うのはどうして?
妹を守るために必要だから?」
「そうだ。
俺にとって2人は初めての子供だ。
アトラだけじゃないまだ会えないアリアも俺の可愛い子供だ。
俺は会わせて貰えない……。
あれの周りのヤツに近づかないようにされてな……。
だから、見られてない時にばぁやに頼んで少しだけ娘を見れた時は嬉しかったんだ。」
それから少し父さんは何か考えていた。
俺に伝えるべきかどうかを……。
隠してもいいよ。
でもその瞬間何も教えない。
そう思ってた時、覚悟を決めた父さんが重い口をやっと開く。
「ただお前も知っといた方がいいな……。
あれはきっと……。
存在そのものを狙われる。
そんな感じがした。
直感でしかないが……。
この世界の言葉でいうなら女神達に愛されてる愛し子……とでも言うような存在だ。」
「……そんな……はず……な……。
(……ほんとにないと言えるのか?)」
言葉に詰まる。
なんて言うのが正解なんだ……。
片割れの妹が愛し子だとして不幸になんてなったら……俺なんかより脅威だ……。
「……俺なんかより……マズいんじゃ……。
父さん……。
俺さ……。
気になった事をばぁやって人に言ったんだ。
そしたら旦那様には伝えなさいって……。
俺と妹のアリアを繋ぐものだろうからって……。」
「……?何を言ってるんだ?
お前達は双子なんだから2人にしか分からない感覚的なもので繋がってるだけじゃないのか?」
「違う……。
目に見えるものでも繋がってる……。
この三日月の形をした痣がさ……。
その……アリアにもあるってばぁやって人が言ってた。
しかも同じ場所だって……。」
父さんは目を見開いて固まってる。
そして何かを察して険しい顔になっていく。
言っちゃダメだったのかな?
アリア守れるよね?
もしかしてもっと複雑な何かがあったりするのかな……。
「……それを知ってるのはばぁやと俺だけなんだな?
……昔話をしなくてはいけないな……。」
こくりと頷いただけなのに父さんは何かを考えてる。
もしかして忌み子の話なら俺は聞きたくない。
けど俺は知らなきゃならない。
大事な宝物だと思える存在を守る為に。
なんでただの妹にここまで俺は執着するんだ??
その答えも父さんから聞くことで解決するのか?
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