自室にて……1

やっと部屋に戻ってきた。



「少しゆっくりしたいから父さんが帰ってくるまで誰も居れないで欲しい。」



黙って頷き使用人が部屋を出ていく。

さすが父さん側の使用人。

そして俺だけの執事なだけあるな。

言葉を発する事を許さない空気感にしたら黙って出ていってくれる。

テーブルの横の椅子に座りテーブルには俺の行動を先読みして用意されてる紅茶とティーポットが置かれていた。



「さすがとしか言えないな……。

ティーポットの茶葉は既にないし勝手におかわりしろって使用がなんとも出来る執事って事かな。

今はそれがとても有難いとすら思えるよ。」



そして瞑想するように目をつぶり会えずにいる妹を思い出す。


俺は産まれてすぐは隣に妹がいる感覚があったのは覚えてる。

すぐに俺だけになったけど……。

片割れと離されたんだと思う。

寂しかった……。

2人一緒だと思っていたから。

そんで生まれた報告聞いた父親が来たって聞いたんだ。

俺は4歳の時に父さんに俺の片割れどこ?性別はどっち?なんて泣きそうな顔で聞いてきたって言われたっけ……。

そこで妹だって言われたんだよなぁ……。

妹ならきっと可愛いだろうなぁって笑顔になったのに父さんは悲しそな顔してたなぁ。

それからちゃんと俺達について話してくれたんだよな。

報告受けて会いに行ったけど1人しか居ない俺を見て悲しくなったって言われたな……。

俺だって悲しかったんだよ……。

ずっと2人でいたのに1人だぞ……。

思えば妹は今も1人だ……。

ばぁやって人だけ妹についてあとは存在が無かったことにされてて……。

4歳の頃から父さんと話してた頃を瞑想したら懐かしい気持ちになれたりすんのかな……。

父さんには俺とか口悪いのとかバレてるけど……。

ほかの人に出さなきゃ問題ないかな……。

父さんの素の時と同じだからいいじゃんって笑ったらアホかって。

俺は全滅的に父さんに無たんだろうなぁ……。



「母様……母上……母さん……。どれも呼びたくねぇ……。

あれに妹が似てたら俺……嫌かも……。」



少し嫌な気分になって瞑想をやめて紅茶を飲む。

絶妙にいい紅茶選ぶんだよなぁ……。

ばぁやって人に俺の痣について小さい頃話した事あったけど確か……。



「"坊ちゃんもお嬢様と同じ痣をお持ちなんですね。

さすが双子というべきなんでしょうか……。

誰にも2人が同じ痣を持ってると言ってはなりませんよ。

旦那様にだけはお伝えください……。

奥様側の方々に決してお嬢様と同じなんだと言うのは言ってはいけません。

お嬢様の安全を守る為に約束出来ますね?"」



今思うと俺と妹二人を守る為に丁寧に教えてくれてたんだろうなぁ……。

妹は知ってくれてっかな……。

俺達の大事な繋がりを……。

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