自室にて……2

やっぱ妹の事を聞いたりできた4歳児の頃が俺にとって幸せだったかもなぁ……。

あんな母親がいたんじゃ俺だって大人びた性格になるしか無かったんだよなぁ……。

ばぁやって人に妹を守る為だって言われた痣のことがあって色々俺なりに考えたんだよな。

それで父さんに会いに行ったんだ……。

片割れの存在を聞きに行った以来だったはず……。



ゆっくりと4歳児の頃父親と初めて会い話した事思い出に浸る……。



「お父さん……入ってもいい?」


扉の前でちらっと中をのぞく小さな子供の姿が目に入る。


「あぁ……。入っておいで。」


きっとこの人不器用なんだろうな……。

そんな事思った気がする。



「あ、あの……。

お父さん……。

聞きたいことがあって……。

あ、あとね……。

言いたいこともあるから……。

その……。」



意を決して会いに来たのに言いたいことがまともに出なかったなぁ……。

父さんとまともに会わなかったんだから仕方ないじゃん。



「……人払いしようか。

すまないがしばらく誰も寄せ付けないように。」



そう言われて使用人の人達は去っていったんだよなぁ。

何も言わずに消えてくれる感じ今思うと流石なんだよなぁ……。



「これでいいかな?」


「う、うん。」



俺も緊張してて何故か父さんも緊張してたんだよ。

俺でこんな感じだから片割れの事なんかもっと気にしてないって思ってたんだよな。



「あのね。僕の片割れって性別何?」


「やはり知らなかったか……。」



ぼそっと言った一言がショックというか知らないのが当たり前みたいに言われたのがすげぇ嫌だったな……。



「……知らないよ。

ずっと一緒に居たのに産まれてからすぐ離れ離れにさせられたんだから……。

お父さんにとって僕達は要らない子なの?

どうして離れ離れなの?」



固まったまま目を見開いてたなぁ……。

まさか子供2人から要らない子認定受けると思ってなかったんだろうな……。



「ち、違う。

お前達は要らない子などでは無い。

そうだな……。

ちゃんと話そうかアトラス。

しばらくお父さんの話を何も言わずに聞いてくれるか?」



この時初めて名前呼ばれたけど誰の事言ってんのか理解出来なくて固まって頷くことしか出来なかったんだよな。

でもさ父さん……。

子供ってのは声に出して言わなきゃ何も伝わらないもんなんだよ。

俺は父さんと話せたけど妹とは話せてないだろな……。



そういえば2回目にばぁやって人と話した時に父さんはバレない距離で妹を見ていたって……。

父さんとの話を思い出してる時ふと父さんと話するきっかけになった事を思い出す。

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