その頃……家の中では……2
ゾッとして息をするのも忘れかけてる。
目の前に居る母親は何かを察している。
いくら馬鹿であっても殺意出されたらたまったもんじゃないだろうなぁ……。
まだ魔力操作も教わってない子供。
暴走したらしたでちょっと楽しめるかもしれないけど……。
父さん困らせるのは理に反してるかな……。
「どうして…。
アトラスはわたくしの子でしょ?
どうしてそんなに反発するの?
わたくしが不要になるなんてあの人はそんな事ない……はずよ。」
「母上は信じてるんですか?
手中に納めた人達はみな自分の言いなりだと。
おかしいですよね。
お……僕は…一度も父上と母上が愛を囁いてる所も見た事なければ聞いた事すらない。
それに母上から父上に対して旦那様って言ったことを聞いた事すらない。
父上から妻と言う言葉を聞かない。
僕が言いたい事分かりますよね?
2人は仮面夫婦ですよね。
ならば義務を果たしてください。
妹の事は私が何とかしますし、その頃には母上……あなたはもう居ないでしょうから。」
正論だった。
何も言い返せない……。
アトラスあなたは本当に7歳児なの?
本当に私の子なの?
何故……どうして……。
混乱して何も考えられない……。
あの人と話し合いできるのかしら……。
アトラスの言うことが正しいのであれば必要な子供はあと2人……。
作りたくない……。
そうなると私は……既に不要なのかしら……。
「アトラス……。
あなたの言いたいことは分かったわ。
そうね……。
わたくしは一体どこで間違えてしまったのかしらね……。」
落胆した母親を見ても何の感情も動かない……。
父さんはこんな母親をどうするつもりなのか俺にはさっぱり分からないけど。
父さんと父さん側の使用人と話すみたいに俺って何度も言いかけたのは失態だったかもな……。
でもバレないってすげぇわ。
ここまで俺を壊したのは紛れもなく母上だよ。
「それでは僕は部屋に戻ります。
母上は……父上との話し合いの時に妹を処分した言い訳でも考えておいてください。
失礼します。」
「えぇ……。ゆっくり休んで……。」
踵を返して部屋を出る。
クソすぎる空間に反吐が出る。
俺の性格が歪んだのはそばに妹が居ないからだ。
家の中に居るだけで、まだ生きててくれてるって思えただけ俺は家の為に頑張れた。
妹を守れるんだと思ったから。
妹を思うと悲観的になるなぁ……。
部屋に戻ったら誰も入らないように言おう。
少しでもいいから妹の事を考えたい。
妹のそばにいたばぁやって人と話してもいいかもしれない。
なんなら俺のそばに置くのもいいかもしれない……。
父さん側の使用人出し許可は簡単に出るだろう。
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