残された者達
その頃……家の中では……1
今日母様と魔法属性と魔力量測りに行って帰ってきたのに妹が姿を消した。
ついに追い出しやがったか……。
怒りが込み上げてくる。
産まれてから一度も会えなかった大切な片割れの妹。
父様は任せろとか言ってたけど俺は親なんかより片割れの妹のが大事なんだ。
だから許さない。
意を決して母親の元を訪れる。
「失礼します。
母様お話がございます。」
「あら?どうしたの?魔法属性と魔力量が分かったから明日から属性に合わせて教師が来るのが不安なの?」
「(この期に及んで何考えてんだ。)……いえ違います。
母様……妹を追い出しましたね?」
「……忌み子が居なくなっただけじゃない。
双子は忌み嫌われるのよ。
あなた1人残っていればそれでいいじゃない。」
「(まじで信じてんのかよ。そんな昔話未だに信じてるとかいつの時代生きてんだか。)
……いつの時代を母様は生きているんでしょうか?
いいですか。
双子の2人目が忌み子として嫌われていたのははるか昔の事でその後それは関係ない事実として論文に残っております。
今まで忌み子認定されて殺されてきた双子の片割れを哀れんで双子は普通の子供でどちらも生きていいとされてきています。
名高い家に嫁いで来たにも関わらず実証されてる双子の片割れ忌み子説を信じ子供を処分したとしれたら…………。
母様はどうなるんでしょうね?」
不敵な笑みが出てしまう。
俺の大切な片割れの妹が処分されたとか納得いかない。
7歳児らしくないのは理解してる。
妹も同じ感じだと思う。
会うことを許されなかったら想像するしかないけど……。
「……なっ!
親に向かってなんて事を言うのアトラス!
忌み子を捨てる事が犯罪になるなんて何処にも出回っていないのよ!」
「母様……いえ……母上。
それは違いますよ。
忌み子と言われてきた双子の片割れであれ子供です。
お……僕と同じ子供なんですよ。
言いたい事……もう……分かりますよね?」
冷たい視線のまま笑顔だけは崩せなかった。
産みの親でしかないのだから。
妹を育てたのは父親側のばぁやって呼ばれる使用人だけだ。
きっと妹に伝えてくれてるはずだ。
俺と父さんに関しては。
「………もっ…もう終わったことよ!」
母上は何も言えないと思っている。
それが態度や顔に出ている事を本人は知らない。
言葉遊び出来るタイプでは無いか……。
腹の探り合いが多い社交界とか苦手そうだもんな……。
だから嫁ぐ前の家柄も良かったのに頭が足りないとか馬鹿にされ色々言われてるのも知らないか。
自分に使える使用人信じてるけど何人手癖が悪いんだろうな……。
本人は知らないだろうけど……。
「はぁ……。母上。
今この国において双子といえ子供を捨てたり、蔑んだり、幽閉する事は犯罪なんですが……。
まさか母上程の人が知らないなんてことはないですよね?
でも妹の事は手を出さないでください。
アリアになんかあった時お……僕は許せそうにないので。」
「何故アトラスが忌み子の名前を知っているの!?」
「あれ?そこ気になります?
父上から教わったんですよ。
母上は僕達に名前をつけるどころか双子を嫌っていらしたから父上が2人分考えてつけたと教えてくれました。」
「あの人は…………。
なんで勝手なことばかり。」
「父上に怒るなら勝手にどうぞ。
しかし僕は母上に名前を呼ばれたくないですね。
僕達が邪魔でしかない母上にこれ以上の義務は………果たしてあるんですか?」
「わたくしが……わたくしがこの家に不要だとでも言うの?」
「不要じゃないと思ったんですか?
そうですね……。
あと何人か子供を作ったら不要でしょうね。
あぁ…愛称でも絶対呼ばないでくださいね。
今の仮面が剥がれるので。」
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