初めての野営3

女神様に私の考えとか想い届いたかな?

ご飯を済ませたお皿を洗い調理器具全部を鞄にしまい込んだ。

テントの中に入ってちょっと考える。

あきらに私が過ごした部屋より豪華……。

これも空間魔法使ってんだろうなぁってすぐわかる代物用意するお父さんってなんなのよ……。

お父さんってよりお父様って感じするけど今はまだお父さんでいいかな……。

そうすると……お兄ちゃんもお兄様って事になるのでは?

ダメだ……。

色んな事が起きすぎて思考回路バグりそう。

ってかバクってるか……。

鞄から寝る為の服を取り出した。

そして再び思考回路が正常に戻って盛大にツッコミする事になる……。



「ちょっと待って……。

風呂場まであるのはなんで?

テントだよね?

テントって寝る為の空間だけだよね!?

どうしてテントに風呂場があるの!?

ベッドついてんのもどうなの!?

よく見てなかった私が悪いかもしれないけど色々おかしいんだけど!?

お父さんーーー!」



戸惑いながら結局最後は叫んだ。

お決まりパターンって感じになってきてるけどそうしたい訳じゃないんだよ。

どっからつっこめばいいのか私でも分からないよ……。

普通の7歳児ここまで頭の回転はやくないんだよ……。

前世の記憶無くてもきっと私同じ事してる気がするけど……。

あぁ……性格的な問題か。

それじゃ仕方ないか。

結局諦めることで納得しちゃうあたり単純なんだろうね。



「はぁ……。

要はポイ捨てされた不憫な娘を思ってどこでもくつろげる1部屋分の空間を空間魔法使ってテントの中に詰めるだけ詰め込んだって事で良いのかな……。

答えてくれる人いないけど……。

お父さんってなんか変わってるなぁ……。

それでも私を思って色々用意してくれたのは嬉しい。

私を大切にしてくれるんだと思わせてくれる数々の物を与えてくれてるのも嬉しい。

顔も知らないお父さんをちょっとだけ好きだなって思ってしまうあたりチョロいな……。」



素直に感謝したいけど知らない人って感覚があるんだもん仕方ないよね。

だって会ったことないんだもん。

ばぁやが布団やらひざ掛けやら用意してくれてたけどこのテントの中だと不要かも……。

ばぁやの温もりが欲しいからひざ掛けだけ出して握りしてながら寝るのもいいかも。

少しだけ寂しさが紛れる気がする。

お風呂に入って濡れた髪をタオルでちゃんと拭いて寝るための服に着替える。



「……もう驚かないけどさ。

これもお父さんだね……。

もしかしてばぁやが用意したのって鞄だけとかあるな……。

なんなら鞄すらお父さんがってパターンある。

ばぁやはお父さんに全て用意させて指示出しただけとか!?

今までのことを考えたら有り得る。

ばぁや…お父さん使うの上手いなぁ……。

色んな意味で尊敬しちゃう!」



ベッドに入り鞄から出しておいたひざ掛けを握りしめる。

ばぁや…作ってくれててありがとう。

そう思いながら瞼が重くなっていく感覚に身を委ね暗闇に意識を落として眠る。

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