初めての野営2

「お父さん……私の1食分知らなすぎでしょ……。

お兄ちゃんが食べてる量だったりするのかな?

知らないけど……。

ばぁやちゃんと伝えてくれてないな……。

……いや。

……今までの感じばぁやがちゃんと伝えたとしてお父さんが真摯に受け止めるとは思えないかも……。

だとしたら……今までの食事を知って泣くの我慢していっぱい食べろ!的な……。

想像する事しか出来ないお父さんの存在って何!?

イメージ違った時困るやつじゃんこれ!」



もうなんか……色んな意味で疲れてきた。

結局1食分として用意された材料は多いから明日の朝の分にまわすことにした。

他国に私の足でどれ位かかるかも分からない以上食材が増えるのはいいことなのだ。

ただ問題は水だけど魔法使えば…………。

あっ…………魔法の使い方習ってない……。

絶望的すぎる……。

明日ばぁやからの手紙読み終えてから女神様に話しかけて魔法習得しよう…………。

最後まで事勿れ主義になっていく。



「料理って前世の記憶なかったら作れなかったなぁ……。

そこに関しては女神様に感謝しかないけど……。

1人の食事って物凄く寂しい……。

前世の私どうやって1人で食事してたんだろう?

寂しくなかったのかなぁ……。

ばぁやが一緒に食べててくれたから1人で食べる食事の感覚とか私が忘れちゃったのかな……。

……いただきます。」



そんな事を思うとやっぱり寂しい……。

寂しいって事を前世の私は感覚から削ぎ落としたのかな……。

楽しかったり幸せだった記憶しか女神様が思い出せてくれなかったおかげで今の私は何も共感出来ない……。

それでいいんだと思ったけど前世の私と今の私は違う人物なんだなぁ……。

私って物凄く寂しがり屋なんだなぁ……。

初めて知ったよ。

食べながら思考だけは寂しさを募らせていくばかりで止まらなかった。



「ご馳走様でした……。

私って何のために存在してるのかな……。

愛し子だからなのかな……。

女神様達は私がそばに戻ってきて欲しいからって言ってたけど……。

それなら……なんで……。」



次第に目が潤み涙が溜まっていく。

負の感情にのまれていく感覚だけがある。

それに飲み込まれてしまっては女神様達の願いを叶えられなくなる。

それに本当の家族の元に帰りたいっていう思いまでも嘘になってしまう気がする。

自分の考えや想いを言葉にして女神様達に聞かせるように出してみる。



「泣いたっていいよね?

寂しいって思ってもいいよね?

幸せになる為なの試練なんだよね?

私乗り越えられるかな?

ねぇ……女神様……。

私……頑張る……。

絶対、絶対、幸せになる!

私を大切に思ってくれる人達を守れるくらいになる!

私はそんな人達に恩返しが出来たらそれでいいの!

返せるものが少なかったとしても……。

私の周りに居て、私を大切にしてくれる人達をいっぱい大事にする!

だから、女神様!

女神様達も幸せじゃなきゃダメなんだから!」

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