異様にハイセンスな縄文土器

 日本においては、16000年前に縄文時代へと突入したと言われている。縄文時代はその名の通り、縄の文様をつけた土器の発見から来ている。

 つまり、石器時代までは切る、焼く、という原始的調理しかできなかった人類が、土器の発明によって茹でる、発酵させる、保存するという一段階進んだ調理をし始めた、これをもって縄文時代と見做しているわけである。


 特に保存しやすくなった事は「計画」という概念を与えた事だろう。当時の列島は温暖期であったとはいえ、冬は寒くなり、食糧も減る。火を通した食糧を壺に入れておけば、虫やねずみの被害も少なく、春までの食糧を保存しておきやすい。

 不安から解放されている時は脳も活発になる。これは縄文土器のデザインを見れば、明らかではないだろうか。

 一目瞭然、センスが凄まじいのだ。単なる器とか壺として作るなら、こんな凝ったデザインは要らない。もちろん、祭祀用なら分かる。しかし、日常用に見える壺にも凝った文様が描かれている。

 食糧危機は少なく、一日のうち数時間を使って食糧を取ってくる、または、一日かけて一週間分の食料をまとめて採ってきてもいい。あくせくと働く現代人などに比べて、時間はたっぷりあり、しかも、現代人が夜しか自由になれないのと違って、脳が活発に動く昼の時間帯を使えるのだ。

 縄文土器のセンスフルな文様は、彼らにたっぷりと時間があり、四季や天候の変化が彼らの五感に刺激を与えていたことを物語っている。

 我々、日本人は想像力の民である。魔改造にかけては世界のどの民族にも引けを取らない。縄文人は我々の直系の先祖であることを感じさせてくれる。



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