人生初風俗で嘔吐した話

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友人に誘われて、人生で初めて性風俗店に行った。

散々であった。

結果だけ先に記すなら、私は半月分の食費に近い金額を支払って、ものの十分程度で気分を悪くして嘔吐した。


店に入って、消毒薬でうがいをし、女の子と軽く抱き合った。

薄めの服越しに肉を感じた。

筋肉の弾力である。

子供の頃、『生き物係』というのをやっていた。

学校の各々のクラスで金魚であるとか、ハムスターであるとかを飼っていて、それの面倒を見るという係である。

私のクラスではカマキリを飼っていた。

そのカマキリが、ある日、虫籠の隙間から脱走した。

登校してすぐにそれを見つけた私は、まだ無人の教室で、逃げ回るカマキリを追いかけ回してそれをやっと捕まえた。

両の手のひらで、包むようにしたそれは、手のひらで作られた即席の虫籠を跳ね回った。

怖気が走る感覚だった。

生命の弾力である。

それ以来、虫が怖くて触れなくなった。

今日感じたのは、あの時の感覚であった。

私は女の子に断りを入れると、香水が合わなくて気分が悪くなったと嘘をついて部屋を後にした。

申し訳ない事をしたと思う。

私はそのまま家に帰り、人間の肉の弾力を思い返して嘔吐した。

失態である。


安易に生き物には触れないように。

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