第30話 急襲/プテラ(2)
ドン
銃声が鳴り響くや否や、銃身を杖に見立て雷撃をを銃弾めがけて放つ。
雷の方が速度が上のため、銃弾に雷を纏い、一直線にプテラの羽に直撃、初めて放った全身全霊全力の雷のエネルギーをぶつけた。雷のエネルギーなので感電と熱量が相手は3体いるため続けて第2撃を放つ。悲鳴のような声をあげ、1体が落ち、あと2体。もう一体落ち残り1体。
よし、ダメージは通っている。
ほぼ対峙したのは蝦夷鹿ばかりだったので、知識はあっても経験値が足りていない。
とどめがさせているかどうかはわからないけど、結構なダメージは与えられているだろう。
そう信じて残り1体、に同様の銃雷撃を放とうとした瞬間、銃身が限界を迎えたのか長銃そのものが崩壊した。
崩れ落ちるときに銃の中にある冷却等コントロール目的に仕込んであった魔石であったものが砂のように崩れた。
「どうしよう、ヤバイ。」
やっと戦えると思ったのに武器が耐久を迎え崩壊。残り1体が飛翔しているし、思いついた攻撃手段も潰えたし、取れる手段がない。
「アオくん、ここは逃げるべき?」
振り向き同意を求めてみると、チーズさんが頑張ったので、僕も少し働きますね、と言い、虚空から白銀色の大剣を取り出し、少年は上空へ飛んだ。
そして軽々とプテラを飛び越え停止。そこから向かってくるプテラめがけて上から大剣で貫き、その勢いで地上まで到達した。
一撃だった。
◇
いつの間にかキャンプ場から結構離れていたため、姿隠しの魔法を解除。自分が仕留めた2体についてきちんと息の根を止められているかどうかを確認するために近づいたところ、手負いの獣よろしくバタバタと動き、大きな爪で襲ってくる。
ここまで来ていればナイフでいけますよ、と、いうので攻撃を避けつつ近づき、雷のエネルギーで焼けこげた皮膚にナイフを振り下ろす。
首にナイフを突き立てられるや否や、その1体は粉じんと化し、もう一体は素材として残った。因みにアオくんが単独で倒したもう一匹はとっくの昔に粉じんと化し、その魔石等はしっかり回収済みだ。
「魔法、覚えてしまえば使える回数には限度はあるんですけど威力はレベル由来ではないのでちゃんと強いんですよね~雷魔法、上手でしたよ。完全勝利まであともう一歩でしたね。 惜しい惜しい。次頑張りましょう。」
アオくんはちょっと運動したくらいの態度で、大剣を放り投げそのまま収納。僕の武器とか魔法とかは、今は特に興味を持たずにいたほうが良いですよ、と言っている。
実はどれだけレベルが高いのか、強いのか、まったくわからないけれども、やたらと強いことだけは間違いない。
「アオくんマジで護衛だわ…」
そう述べるとアオくんはにっこにこと笑い、護衛もしますけど、僕の育成支援は結構スパルタですよ~とか宣った。
身に染みてるよ。
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