第13話

楽屋前に立っていたブルーベリーに、話しかけてみた。


「…あのジジイに何かされた?」


「…どうしよう」


ブルーベリーは、困惑している。さっき怒ってたのに?後から怖くなるやつ?


「え、大丈夫なの?」


「…ピーチ、私…」


「え、ちょっ、移動しよ」


タクシーで移動することにした。この場にはそのままいられないから。

ほっとけばいいのに、ほっとけなくなった。


「とりあえず、うちまで歩くよ」


「…え、ピーチの?」


「…うんまぁ。なにを見ても、メンバーには言わないで」


「うん」


絶対、零はもう帰ってるけど。でも、外で話すわけにもいかないし。はー、めんどくさいことになった。


「こんばんは?」


零は律儀にあいさつした。


「…え、と…?」


「彼氏」


そう言ったけど、あまりブルーベリーは動じなかった。ま、そういうやつだよね。反応鈍いっていうか?


「ブルーベリーさんですよね。お世話になっております」


「そういうのいいから。ちょっと部屋から出てくんない?」


「あ、はい…」


零を別室に移動させ、リビングで話すことにした。

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