第43話 羅刹が如き雷獣人

 雷獣の耳と尻尾が生え、手や脚に雷獣の毛が生えていくのを感じる。

 爪は鋭く、切り刻むのに最適な形状へ。


 そして身体に纏うは雷。

 今までの雷と違う、圧倒的な火力を持った雷。

 イカズチ————激雷だ。


「……コレが、獣人の起源なのかしらね」


 身体が、魔石に適応し始めた。何度も高負荷な魔力を体内に留め続けた結果、身体が魔力を溜めようとして生まれた器官である魔石。

 しかし本来は魔物や召喚獣にしか持ち得ない魔石を人間が持った事で一部が獣化した。コレが今いる獣人の起源なのかもしれない。


「そうなると、今の獣人って結構弱くなってるのね」


 みなぎる力を感じながら、オーガが振り下ろしてきた拳を弾く。

 激雷は、速度ではなく威力特化。何度も何度も体内に留め続けた結果、雷の性質が変わったのだろうか。


 まぁ、詳しい事はあとで調べればいい。そんな事より今は——


「アンタを、絶対に許さない」


 私が原因だったとしても、嘲笑うかの様な表情で愉快そうにラナを殺したこのオーガだけは許さない。


 逆恨み? それがどうした。コイツがラナを殺した事に変わりは無い。


 オーガの元へと歩いて行く。沸々と湧いてくる怒りを魔力と共に拳に込め、そして一気にオーガの胴体部分までジャンプして呼び込み——


「さっきのお返しよ、クソオーガがぁ!」


 胴体を激雷を纏った拳でぶん殴る。

『バチィン』と弾ける様な音と共にオーガが吹き飛び、遠目に見えた蛇を巻き込んで飛んでいった。

 ヘビが吹き飛んでいってレリア王女達が唖然としている所をよそに、オーガの元に走っていく。


「ゲホッ、ケホッ……やっぱり厳しいわねっ」


 身体が獣人になったとはいえ満身創痍には変わりないし、激雷に身体が適応しきれておらずに身体に継続的にダメージが入っている。


 つまり、私の身体は長くは持たない。


「回復薬とかあれば話が違ったんでしょうけどね……」


 あいにくと物資は身に付けていた物以外は全て15層に置き去りだ。今ここで回復する手段なんて無い。


 だから、せめて……オーガだけでも。


「ラナの仇ぐらい、取らせなさいっ!」


 そこら辺に転がっていたオーガの剣を拾い、オーガの元へと走っていく。


 突っ込んでくる蛇は激雷で弾きいなし、適当に切りつけておく。

 蛇に興味なんてない、勝手に死んでて。


 私が倒すべきは、オーガ。


「死に晒せクソオーガが!」


 オーガの元まで辿り着き、手に持った人には大き過ぎる大剣でオーガの首を吹き飛ばす。

 激雷の力は凄まじく、切るのではなく吹き飛ばしてしまった。


 そして……魔石に適応しきれてない身体が魔力に耐えきれずに限界を迎えた。


「うぐっ……あああっぁっぁあああああああ!!!」


 その悲鳴を最後に、私は意識を手放した。


 -----------------

 リファルside


「まったく、無理をしないでって言ったのに。リファル、雷は防ぐから治癒魔法で治してあげて」


 雷を全身から放っているレーナ皇女を見ながらレリアはレーナ皇女を結界で囲む。

 ちなみにソイルサーペントは絶命している。レーナ皇女が与えた一撃で胴体と頭部がおさらばしたのだ。


 見た目が獣人になってるのも、あの上位種を圧倒する火力も謎だがとりあえず治療しなければ。


「——っ、リファル! あの雷とんでもない火力してる。結界でも耐えるの厳しいかも……出来るだけ早くお願いっ!」


 ユニーク属性でも厳しいってどんなだよ……!

 急いでレーナ皇女の元まで走っていき、稲妻属性の身体強化をして結界の中に飛び込む。


 稲妻属性で相殺しているが……それでも若干相殺しきれずにダメージを受けてしまう。そこは治癒を掛けて即再生だ。


 レーナ皇女の元に辿り着き、レーナ皇女に触れて治癒魔法を掛けていく。

 この治癒は身体の異常を調べ、修復する感じだ。異常を感知するついでに身体の構造も分かるんだが……


 傷の量凄っ……いや、それ以上にコレは魔石? 原因はコレか。


 とりあえず暴走を収める為に魔石を修復する。現在魔石はバラバラに砕けており、コレが魔力の暴走の原因になっている。

 魔力を貯めるはずの魔石が砕けており、貯めることができずにそのまま属性変換だけして放出してる感じだ。しかも砕けているにも関わらず、しっかりと魔石としての機能が生きているせいで超高効率で属性変換がされている。上位種をも蹴散らしたのは暴走状態にあったからか。


 治癒の力は不死鳥であるフェニックスが持つ様な力だ。魔石が砕けた程度なら治せる。


 治癒を掛け初めて約数分後、魔石は完全修復出来た。

 次にこのおびただしい数の傷だが……内側から外側に向かって傷が付いている?


 コレ、よく今まで生きていたな……表面上に浮かんでないだけで顔や手もしっかり内側に傷が残っている。このおびただしい量の傷なら脳に達していたり、痛覚が麻痺したり、神経や臓器を壊していそうなものだが……綺麗に避けている。まるでそこだけは傷付いてはいけないと守られているかの様に。


 ……誰が守った? こんな傷が付く場所を操作するようなことを一体誰が……


 いや、今はそれはどうでもいいな。とりあえず治しておこう。こんなえげつない傷、本当にどうやって付けたんだか……


 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

【???:獣人化】


 魔物または召喚獣の力を体内に取り込み、留め続けることによって体内に魔石を生成させることで魔物や召喚獣の力を己の身体のみで生み出せるようになる現象。

 今いる獣人の始祖達はこの現象によって生まれたとされているがあくまで仮説に過ぎなく、この現象によって生まれた獣人が召喚獣と共に存在できる理由は不明。


 召喚獣に頼らずに魔力を扱えれるようになるため、魔物や召喚獣と同等に近いほどの能力を得られるとんでもない現象ではあるが、非常に致死率が高く、獣人化を試した者の殆どは死んでいる。

 更に獣人化に至るまでに相当な苦痛が伴うため、精神を壊す者も多い。


 ちなみにだが普通の人間に魔物や召喚獣、獣人の魔石を移植させた場合、身体が適応せずに死に至ってしまうため、獣人化は出来ない。

 死に至るまでに相当な苦痛が伴うため、過去に拷問として移植を実行実験された例もあるとか……


 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 【ちょっとした雑談】


 なんか……最近寒くないです?

 寒いせいでなんか人肌恋しいというか何というか……


 作者である冰鴉はかなり寂しがり屋さんなんですよねぇ。でも恋人も居た事も無く、友人も少ない……寂しさを紛らわすのが難しいんですよねぇ。


 だからっ! どうかノリの良い読者さん達! 私を甘えさせてくれっ!


 ムサいオッサンでも、仕事に疲れて気力がないお兄さんでも、教室の隅っこで数少ない友人と駄弁ってる学生でも良いっ……!

 どうか、どうか私を甘えさせてくれっ。


 あっ、これ書いてる途中に正気に戻ってきた……どうしよ。

 んー、まぁいっか! つまり私は寂しいって事だ! 

 だからどんどんコメントしてくれよな! 小説の内容を否定する様な悲しいコメントじゃない限り大歓迎だっ! 自分語りでも良いぞ!


 自慢話どんとこーい。


 まぁ、そんな話でした。コメント無いと案外寂しい物なのね……処女作書いてた時は結構コメント来てたから分からなかったわ。


 フフッ、人間の心って……脆いわね。すぐ壊れちゃいそうなんだから。

 て事で是非是非募集、メスガキ煽り! 「メンタル雑魚雑魚♡ 雑魚お兄さんっ♡」ってコメくれると嬉しいです!


 実年齢は内緒、我……若いからな? 若いからな!


 ちなみにこの雑談に約500文字使ったってマ?

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る