第12話 身体強化・続
そんな感じで授業が進んでいき、ある程度の人達が属性身体強化ができる様になってきた。
マナ先生の許可を得て、属性身体強化のみの模擬戦をしてる人達だって出てきている。
「はい、一旦止め!ある程度の生徒が属性身体強化ができる様になったから次は召喚術をするわよ。属性身体強化が出来てない生徒は習得した生徒に教えてもらうか、あとで先生に聞きにくる様に…属性身体強化は必ず習得しときなさい」
マナ先生が静止を呼びかけ、次の授業に移るらしい。属性身体強化は本当に必須だ、何せ召喚獣や魔物は当たり前の様に使ってくるし、やはり人間は召喚獣や魔物に劣るのだ…だからこそ比較的簡単に出来る強化は生きてく上で必須なのだ。多分街にいる平民の大人でも普通に属性身体強化は出来るだろう。出来ないのは子供か、召喚獣が居ない人ぐらいだろう。
「それじゃあ召喚術に移るわ…と言っても、次にやるのも身体強化よ。一応召喚術に分類されてるけど魔法でもあるの…属性身体強化の時と同じ様に最初に一旦見せるわね」
そう言ってマナ先生は自身の召喚獣を呼び出す。
十数秒ほどして空から1匹の召喚獣が降りてくる。緋色の体色をしたグリフォン…飛行型魔物の中でも非常に強いと言われてるグリフォンの変異種的な物だろうか。
「この子はフィーレ、私の召喚獣よ。それじゃあ始めるわね」
マナ先生の容姿がどんどんと変わっていく。背中からはグリフォンの緋色の翼が生え、黒髪の中に赤髪がまじる。
まだまだ変化出来そうな気配があるが、多分あまりにも変わりすぎると混乱すると思ってるのか、このぐらいの変化で終わらせている。
「さてと…これが【
これにはほぼ全ての生徒が驚いている。俺も驚いているのだ…もはや人工的になれる獣人である。
そしてなんとなく試してみたけど俺の擬人化は出来ないらしい…出来たとしてもレリアの双子姉妹的な感じになるかもだが、召喚獣は獣化(この場合は人化か?)は無理っぽい。
そしてレリアは過去1なレベルで真剣な表情をしている。そんなに獣化は魅力的なのだろうか?
「この獣化は召喚獣との繋がりがかなり大事よ。繋がりが強ければ強いほど召喚獣の姿に近付くし、反映させた力も強くなるわ。そしてこの召喚術には時間制限があるの…これは人の身に召喚獣の力は強すぎるからと言われてるわね。これも召喚獣との繋がりによって時間が伸びるわ…一般的には30分から1時間、と言った所ね。この学園の教師に召喚術に特化した人がいるけど…その人は半日ほど獣化出来るわね…っと、そんな事はさておいてやり方を教えるわね」
そうして教えられた方法で皆それぞれが獣化を試していく。
人によっては猫耳や犬耳、トラ耳や尻尾が生えたり、翼が生えて低空飛行をしてみたりしている人達が居る。
そしてレリアはと言うと…
「繋がりを通して…リファルの姿を…」
めっちゃ真剣にやっている。実を言うと俺とレリアの繋がりは一度切られかけた事で少し複雑化している。いわゆる筋肉と同じだ、一度壊して再構築するほどより強固になる…が、その代わりに複雑化しているのだ。
だからこそレリアは獣化を真剣にしてるのだろう…ちなみに繋がりが強固になったが故に切られた部分が修復しきれてないが、繋がりの強さで言えば切られる前より強くなっている。
「ここをこうして…そしてリファルの力を…!」
そして獣化が始まる。
レリアの頭から竜の角が生え、背中からは竜の翼が生える。そして頬の部分や腕、足に手の甲や首と所々に竜鱗が出ている。その姿はまさに竜人、そしてついでとばかりに氷属性の属性身体強化もしているからのまさに【氷竜姫】の名の通りの姿になっている。
尻尾は生えていない…多分繋がりがもう少し強くなれば生えるとは思うが。
外野が騒いでる中、レリアは身体の調子を試している。
手のひらをグーパーしてみたり、軽く地面を蹴ってみたり、翼を使って空を軽く飛んでみたりしている。
「これがリファルの力なんだ…凄い…」
魔法を出したりしているが、その魔法の操作技術が獣化前とはレベルが違っている。どうやら竜の身体のスペックも反映されてるらしい。
そしてある程度試してみた所でレリアは不思議そうな顔をする。
「ね、ねぇ…リファル…この属性、何?」
周りに見えないように立ち位置を変え、親指と人差し指の間で雷を発生させる。
その雷はただの雷属性の魔法に見えるが、俺には分かる…
………獣化中って稲妻属性も使えるんだ。
勿論俺の扱う稲妻属性よりも幾分か劣化しているし、出力も弱いが…それでも稲妻属性なのが分かる。確かに獣化と言うのは召喚獣の力を反映させると言っていたが、まさか使えない属性すらも反映させるとは思っていなかった。
そんな風に俺とレリアが困惑する中、授業が終わる時間になるのであった。
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【獣化】
召喚獣の持つ力を一時的に召喚者の身に反映させると同時に、反映した召喚獣の特徴がその身に現れる召喚術。
召喚獣との繋がりによってこの獣化による召喚獣化の進行具合が変わり、人によっては召喚獣そのものになる事もある。
大抵の場合は部位が追加されるか、部位が少し変化するくらい。
実は劣化したSユニーク属性の使用も可能になる。また、獣化の進行具合によっては劣化具合も抑えられる。
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