番外編
第109話 裏設定
本編中に出せなかった裏設定など。
番外編のお話とどちらを先に投稿するか迷ったのですが、とりあえずこちらから。
番外編は明日以降、1日1話ペースで投稿します。
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◇魔の森にどうしてカレー食材が豊富にあったのか?
アイリの影響。
彼女は未来予知ができたので、いずれやって来るユーリがカレーを作ろうとするのをなんとなく察知していた。
アイリ自身もカレー大好きっ子で、魔王竜の中で眠っている間にカレーの夢を見ていた。
そのイメージが魔力を介して魔の森に広がり、似たような植物が魔物として誕生した。
◇八年前に魔王竜が目覚めた理由
アイリが予知した「ユーリと交流をする子孫」=アウレリウスとユリウスが成人年齢に達した時期だったため。
ユーリはまだユピテル帝国に来ていなかったが、予知の一部が満たされたせいで誤作動して目覚めてしまった。
◇魔物と人間
魔物は存在のある程度以上を魔力に依存する生き物。
それ以外の動物・植物はほとんど魔力を持たない。
そのため実は人間も魔物にカテゴライズされる生き物になる。
魔力が高いアウレリウスなどは本当に魔物である。(本人が聞いたら憤死しそう)
◇アウレリウスとユリウスの攻撃が魔王竜によく通った理由
核となるアイリが彼らの先祖であるため、魔力の質が似ていた。
それで魔王竜の防衛機能が一部混乱して、通常よりも防御力が下がった状態だった。
魔王竜「あいつら嫌い。白竜と同じくらい嫌い」
◇スキル
魔力適性の一種という設定。
人間は特に魔力を持たないように見える人でも、それ相応に魔力を持っている。
魔法という形で魔力が表に出れば分かりやすいが、そうでない場合もある。
ユリウスの人間離れした身体能力やロビンの超感覚もスキル扱いで、魔力を原動力とする。
スキルという名称をつけて分かりやすく分類したのは、アイリ。
この世界がライトファンタジー風になっているのはだいたい彼女のせいだったりする。
◇ヤヌスの英雄(異世界転移)について
地球と異世界を移動するにあたって、人間は生身では耐えられない。
そのため異世界に到着した時点で魔力によって体が作り変えられている。
異世界転移者たちがこの世界でずば抜けて高い素質を持つのは、「そう作られたから」である。
ユーリはアイリの召喚に割り込んだせいで、やや例外的な存在となった。
求められた能力ではなく地球人としての体に近いものが作られて、この世界の肉体となった。
そのためユーリの魔力適性はこの世界のどの人間よりも低い。低すぎて魔物ではないくらい。
辛うじて雑学スキルがあるが、ほぼ本人の知識によるもの。
アイリは召喚の仕組みを解き明かした上で、地球にユーリを送り返すための術式を組んだ。
地球人に近い体を持っていたユーリだからこそ実現可能な送還で、「この世界に適応するため作り変えられた体の」アイリ自身や他の異世界転移者では不可能。
◇婚約話が出ていた属州総督の娘
本編では省いてしまったが、プロット段階ではキャラクターとして登場する予定だった。
性格はお嬢様らしく世間知らずでわがまま。
顔面偏差値の高いアウレリウスに惚れてユーリを邪魔者扱いする。
けれどユーリが平民の中で働く姿を見て、だんだん考えを変える。
最後にはアウレリウスとの仲を祝福して、ユーリを「お姉様」と慕うようになる話だった。
◇最終話後のユーリとアウレリウス
功績を立てすぎたために皇帝から呼び出しを受けて、二人はしぶしぶ首都に行く羽目に。
ただしユピテル帝国各地で魔物が被害が出ている上、大物はユリウスがかなりの数を仕留めているため、身内であるユーリらに無理は言われなかった。
ユリウスの機嫌を損ねて討伐が滞れば、被害がさらに大きくなってしまうと脅し込みの交渉が功を奏した。
ユーリが異世界転移者なのは皇帝の息子経由で伝わってしまったが、雑学レベルなのを再確認して、新しい発明品はすぐに皇帝に報告するのを条件に解放される。
こうして正式に皇帝の後押しを得たため、属州総督程度では手出しができなくなる。
「結果オーライだったね」とユーリが言うので、アウレリウスは苦笑しながら同意したとかなんとか。
◇ユピテル帝国のその後
この時代では魔物の被害を防いでもう一度繁栄をした。
が、百年もすればまた魔物が増えたり、魔物の中から新しい人間が生まれたり(単に異民族と思われている)、帝国内部が分裂したりして数百年後に崩壊した。
魔の森が安定しているブリタニカ属州は、島国ということもあり独立。
アウレリウスとユーリの子孫が王となって国を建てた。
この国は戦争や内乱を何度も経験しながらも、なんだかんだ長く続いた。
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