第55話 美咲のお母さん

 疲れたぞ〜、乗せてる娘が免許持ってる人とは思えない。これは、乗せない、乗らないほうがいいな。不安だ。


 やはりバイク🏍️は体重移動の乗り物だ。免許あるんだったら少しは同調してもいいはずなのに、完全に未経験者乗せてる感じ。


【バイク🏍️運転してる、ゆー兄ちゃん、カッコいいね。もっと好きになっちゃった❤️】


しがみついてくる美咲、可愛いんだけどさ。


 変わりすぎだから。元々の美咲をよく知ってるからね。喜んでもいられない。 


【美咲、着いたよ。自分の家は記憶にある?】


【何となく…ゆー兄ちゃん、一緒に来て】


やはり全ては覚えていないようだ。


【俺も美咲のご両親には初めて会うんだよ。美咲が覚えてないと不安だからな〜】


【何となく覚えているけど、ゆー兄ちゃん会ったこと無かったの?】


【ないよ。緊張する〜】


そんなことお構いなしに、美咲は、


【いこ!】


※バタン※


【えっと、ただいま…】


【初めまして、なかなかご挨拶に来れずに申し訳ございません。羽村と言います】


中のダイニングから、凄く綺麗な女性が、


【お母さん、この人がね〜美咲のことすっごく優しくしてくれるんだよ。お兄ちゃんみたいな彼氏なんだ〜】


【美咲、裕二さんでしょ。そんな言い方って…何度か連絡いただいてるから解ります。美咲がお世話になっております。私達が留守がちでごめんなさいね。どうかなさいました?】


 言葉を失った…綺麗だからではない。美咲を見れば綺麗なお母さんなのは解る。


 間違いない。この女性、いや、美咲のお母さんは知ってる!俺は知っている!


 美咲を探しに戻った、あの時間軸に戻った時の俺の母親だ!何故なんだ?


【…すみません。緊張で】


【ゆーちゃん、あがろうよ。ケーキ🍰食べよう】


【わざわざご丁寧に。どうぞ、主人は相変わらず海外勤務のため居ませんが。コーヒー☕︎入れますね】


【すみません。では、お邪魔いたします】


お邪魔するか。何て話せばいいんだ?



コーヒー☕︎とケーキ🍰を美咲は堪能してる。



【美咲さんのお母さん、端的に言います。美咲さんがあることがきっかけで、こことは異なる時間軸に。探しに行った俺は美咲さんを見つけて、みんなの協力を得てここに戻って来れたと…説明下手でこれじゃ解らないですよね】


【解りますよ。裕二さんがこちらに来られる前に、さきさんって方から美咲のことで診療詳細を受けています。美咲を救っていただき本当にありがとうございました。裕二さんがいなかったら美咲はどうなっていたか…ほんと命の恩人です。本来私達から伺わないとならないのに】


【俺も勤務先が離れていて、なかなか実家には帰れないもので…でもご理解いただけてるならば話が早いと思います。美咲さんがここに戻られてからはなんか幼くなったような、これは…】


【ジャンプと呼ばれる副作用ってことですね。それも聞いてますよ。ただ、理由はそれだけではないかも知れません。心当たりがあります】


俺の知らない何かがあるのかな。




ご愛読、本当にありがとうございました。


 続編も〈8/17公開予定〉引き続き、よろしくお願いします。






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