第52話 ソーダブルー
俺は研究所のバイク🏍️を借りて、ユキさんのお店に。そうすればジェットで無人島に行ける。約束は果たせるはずだ。
るいさん、未来から戻ってくるなら、もう少し後にして。急いで向かうから。
はるとさんも、何とか無事に戻ってきてくれ。そしてジェットでインストラクターを。ムカつくことあるけど、まだまだあなたに教わりたいことあるんだ。
少しずつ解ってきた。このややこしい世界。そして美咲の数分先のことが解る能力も。
今はとにかく、るいさんとの約束を果たさないと。免許もこの世界では復活してるね。
【戻ったよ、ユキさん!ジェット貸して】
【早っ!さっき研究所に行くって。行かなかったの?】
あっ、そうか。この日、美咲のこと聞いて俺、研究所に向かって。同じ日に戻ってきたのか。説明すれば解るかな?
【ユキさん、後で説明します。ジェット借ります。すぐ戻ります】
【お店のことはいいからね。理由は解らないけど気をつけて】
察する能力高いな、さすが大人の女性。
俺は慌てて無人島に。こんな気持ちでここに来るとはね。つくづくこの無人島とは縁があるな。
幸い誰もここにはいない。ブレスレッド置きましたよ。るいさん。約束果たしました。
必ず見つけて無事に戻ってきてください。パエリア🥘約束です。
さて、後は、るいさんがブレスレッドを見つけて研究所に戻ってきてくれることを願うだけだな。
戻ろう。伝えにくいけど、ユキさんに美咲のこと話さないと。はー、気が重い…
【ユキさん、戻りました。ジェットありがとうございました】
【お疲れ様。ちょうど休憩しようと思っていたとこ。そろそろ助っ人もくるから、私は裕二くんの話を聞こうかな】
ユキさん、やっぱ優しいな。声のトーンも心地いい。
俺は美咲と別れた後にユキさんと付き合うことになったけど。
ユキさんが、はるとさんがいなくなって寂しいだろうって、でも、それは俺の言い訳。
本当は寂しかったのは俺だ。
くっ…何て切り出せばいいんだ。本当に情けない。自分が嫌になる。自分勝手で嫌になる。
【裕二くん、美咲ちゃんのとこ戻ってあげて】
【何で?急に。美咲が戻ったなんて話してないのに】
【美咲ちゃんのこと忘れられなかったんでしょ?解るよ。私に気を使わないで。それに、私が、はるとくんのこと気にしていて、ごめんね。裕二くんには支えてもらったのに】
支えられたのは俺だ。こんなこと、ユキさんに言わせるなんて。俺がはっきりしないから…
何も言えない俺を、ユキさんはそっと包んでくれて。ふわっといい匂い…
【美咲ちゃん、もう離しちゃ駄目だよ】
ユキさん、あなたはなんて優しい女性なんだ。
【ユキさん、ごめんなさい…ごめんなさい】
ユキさんが俺の手をひっぱって、
【いいもの見せてあげる。来て】
ユキさんに連れて行かれて、ジェットが置いてある反対の方向へ。海岸か…特に何も…
えっ、えー、何、この海…
見たことない海の色!!!
奇跡の色とでも言うのか?
【ユキさん、この海…】
【これね、たくさんの条件が揃わないと見れないの。快晴、無風、温度。この海を見たら、もう、それ以上の海には出会えないって言われてるの。私も2回目なんだけどね。今日は何となく見れる気がして。ソーダブルーって言われてるの】
もう永遠に忘れない。俺はユキさんとの記憶もこの海も全て包み込んだ。
ソーダブルー、奇跡の海…
【裕二くん、戻ろうか。美咲ちゃん目を覚ますかも知らないよ。そばにいてあげて】
【何で全て知ってるんですか?それも能力?】
【裕二くんが研究所、飛び出したって。全部✉️に何があったか書いてあるもん。さき、心配していて、事故るんじゃないかって】
なんだ、それで全てを知っていたのか。
【美咲ちゃん、体調問題ないって。ジャンプ3回もすれば疲労困憊になって当然だよ】
【そうですよね。無理させました、美咲には】
研究所に戻って、美咲のそばにいるか。
ユキさんは、ニヤニヤして、
【さきの見たの?見えちゃったの?相変わらず黒だった?あんなミニ着てるさきも悪いよね❤️裕二くん、そう思わない?】
ギクッ!!さきさん、そんな余計なことを…
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