第49話 相違点
慌てて落としたスマホを拾い、るいさんのところへ。
【るいさん、救助来たんですか?】
【ここ、違うかも。何かおかしい…】
俺達には解らない。
るいさんは、ずっと海を見つめている。
何が違うんだろう。戻って来た場所は合ってるはず。だとすると、何が?
【並行世界…ズレちゃったのかな?】
美咲は、ハッと気がついて、
【あー、それよく聞くやつだね。同じ時間軸でも異なる世界があるって…どういうこと?】
美咲、解ってないじゃん。俺も解らないけど。
【美咲ちゃんの言う通り。この世界はそもそも私達のいた世界とは異なるから…はると、ここに来ても私達のこと解らないかも。はるとがいない場合もあるかも】
はるとさん、そう言えば…
【なんかブレスレッドで混線して、るいさん達を見つけたとか聞こえてきたけど?この時間というか来る前にというか…ややこしい】
【あの馬鹿!私達追ってきたの?JPじゃないくせに。あれほど忠告しておいたのに】
JPって、前にも聞いたけど、なんだろう?
【るいさん、JPって何ですか?ある意味特異な能力のような気がするんですけど】
【私以外にこの能力の持ち主いないと思っていたけど、美咲ちゃんも】
美咲はきょとんとして、
【えっ、私?】
るいさんは、
【うん。いわゆるジャンパーとかジャンプとか、別の時間に移動できる能力。その能力がない人達は、裕二くんが使ったような方法で】
あ、あれね。頭ぶつけて痛かったやつね。
【美咲ちゃんは、コントロール出来てないから、時空の狭間と呼んでる洞窟で見たあの渦みたいな場所に近づいたんじゃないかな?それで思い入れのある3年前にジャンプしたんじゃない?ある程度強い思いがあって良かったね。変なとこ飛んだらそれこそ私の彼氏みたいな…まぁ、そんなとこだね】
何気なく、彼氏って?それは置いといて、聞かなかったことにしておこう。
【なんだ、彼氏いたの、るいさん。それなのに、裕二にちょっかい出して】
だから、美咲、それはもういいって!
【ごめんね〜裕二くん、彼氏に似てるからね】
【こんなのに?】
悪かったな、こんなんでさ!
美咲は3年前のこと思い入れがあったんだね。俺と出会ったから?だとしたら、これは喜ぶべきだ。
【裕二、何、にやにやしてるの?勝手な想像しないで】
【3年前何があったのかな〜美咲ちゃん?んー?知りたいな〜大好きな人に出会えたのですか〜?】
【うるさい!!バカ!!】
※パカーン※ 🤩🌌
ゆ、油断した…
【夫婦満載はいいからさ、やはりここ誰も来ない…それにこの時間になっても暑すぎる…何かおかしい。これはちょっとまずいかも】
【るいさん、このブレスレッドで研究所のさきさんと通信する以外方法ないんですか?ここが何処か解る方法とか】
【ない…時空乗り越えて通信できる方法はそれ以外開発されてないからね。研究所でしか充電出来ないし、あまりバッテリーの持ちも良くないんだよね】
そうか。じゃ仕方ないな…
【このスマホが使えればな】
※パカーン※ 🤩🌌
【裕二、早くだしてよ。持ってるなら!!】
美咲、何度もそんな強く引っ叩いたら…もう。
【だから通信できないって、言ってるだろ。それにもし、さきさんのスマホ📱壊したらどうするつもりだよ!!】
るいさんが、ハッとして、
【それ、さきのスマホ!?ちょっと見せて】
何かに気がついたらようだ。るいさん。
慌ててスマホ見ながら、
【これ、スマホ📱に見えるけど、単体で何か出来るわけでは無さそう。どうするんだろ?】
るいさん、研究所辞めてからだいぶ時間経つもんね。その間に開発されていてもおかしくないよな。
※ジジ…※
あれ、ブレスレッド。少し反応したような?
【るいさん、これ反応したみたい。さきさーん。聞こえますか〜】
※ジジ…ジジジ※
明らかに反応してる。
【もう、裕二、るいさんにそんなにくっつかないで!るいさんも彼氏いるなら遠慮してよ!】
美咲、今それどころじゃ無いって。
【そのブレスレッド外して見せてくれない?私のと違ってバージョンアップされてるのかも】
【でも、外れないんですよ。これ】
【ちょっと、私が外してみせるから。えーと、確かこうやると…あれ、外れない】
何やっても外れない。なんだこれ?
【もう、るいさん!その格好で裕二にくっつかないでよ。遠慮してよ】
その格好?
み、み、水着じゃん!るいさん😍
それに、スマホ📱どこに挟んでいるの!!👀
【もう、離れて!私が外す】
美咲が俺とるいさんを引き離して、突然、
シーン…何も反応しなくなった。
【美咲、乱暴するから。見ろ!反応しなくなったじゃん。せっかく通信出来るチャンスだったのに】
【だって…あんなにくっ付いたら。るいさん、水着だし、裕二、喜んでるし、ニヤけてるし、ムカつく!】
るいさん、突然、
【解った!!!!!!これが答えだった】
何が答え?
訳わからない2人に、るいさんが、
【もう、これだってば!】
るいさんが、スマホ📱を指さして、
だから、それ、どこに、挟んでるのか解ってる?
慌てまくる俺の目を美咲は両手で塞いで、
【裕二、見ないで!るいさん、そんなとこに何で挟んでいるの!】
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