第47話 洞窟

 結局、ジェットで送ってもらえることに。そりゃそうだよな。免許無くしちゃったし、取得してないことになってるし、自分で乗ること出来ないよな。


 この世界でははるとさん、やはり俺のこと知らなかった。送ってもらえたから、別にいいけどさ。


おっせーな、美咲。何してんだよ。




【はるとさん、このジェット安定感抜群ですね〜ちょっと寒いけど、海風が気持ちいい〜少し遠回りしません?】


【後ろでの美咲ちゃんの体重移動が上手いんじゃない?彼氏さん島で待ってるよ。はやく行った方がいいと思うけどな】


【いいんですよ。可愛い子見つけてはフラフラと。あんなやつ、少し反省したほうが】


【そうか。可愛い子って、ユキさんのこと?】


【ユキさんもそうだけど、るいさんに会ってから、そりゃもう…私に失礼ですよね?彼女なんですよ。私】


【るい?さっきも言ってたけど、その娘、知り合いにいるの?】


【あっ、この世界でなく、前の世界に…いいです。気にしないでください。ちょっといろいろあって】


【???何か知ってるんだね。君達は。とにかく、彼氏さんと仲直りして無人島楽しんで来て。あと、絶対に島の中央の洞窟には入らないで。近づくこともやめた方が。これ必ず守ってね。彼氏さんにも伝えておいて】


【洞窟…はーい、解りました】



まだ来ないぞ。ほんと、おっせー、美咲のやつ。


はるとさんと楽しく話してるんだろうな。


 るいさんのこと言い出した俺も反省しないとならないけど。


 でも、元の世界とこの世界と存在する人まで違うなんてあるのかな?


 早く戻った方がいいな。るいさんのことじゃなく、何か違和感を感じる。


 俺達は、ここは、ただ過去に戻ったのではない。別の過去だ。この先どうなるか。




【美咲ちゃん、着いたよ。俺は戻ってお客さんの対応するけど、後で迎えに来るから。それまで楽しんで。さっきの約束は必ず守ってね】


【はーい。ありがとうございます】




 やっと着いたみたいだ。随分と2人で楽しんでいたな。


【裕二、遅れてごめーん。はるとさんとの会話楽しくて。大人の男性って感じだね。なんか余裕あるし、楽しいし、あれ?どうしたの?】


仕返しか、俺への。


【さっきのことは反省することは反省するよ。どうする?洞窟向かっていいか?】


【反省しなくていいんじゃない?別に悪いことしてないでしょ?るいさんって人いないじゃん】



うわー、根に持ってるよ。美咲のやつ。



【とにかく、さきさんと連絡とるからね】


※ジジ…ツーツー…プツン※


マジかよ〜バッテリー🪫切れ。どうするの?



【美咲、バッテリー無いや。とりあえず洞窟に入ってみるか。何か解るかも】


【どうぞ。ご自由に。ご勝手に】


美咲、機嫌損ねると面倒だな。



俺達は、洞窟に入り、最深部に。


やはり渦巻く異空間らしいものがある。


 怖いな、これ。もしこれが繋がってるとしても、飛び込むの?これに?無理だよ。


【裕二、これ大丈夫?】


【大丈夫じゃないかも。とりあえず俺が試してみるよ。何かあったら美咲はユキさんのとこ戻って】


【ヤダ!そんなこと言わないで】


【試すしかないよ。解らないけど、この世界は俺達がいた世界とは明らかに違う。ここで生きていくのは無理だろ】


【じゃ私も一緒に。何かあっても2人一緒なら】


【そんなの駄目だ。美咲は…】



※パカーン!※ 🤩 


何だ?物凄い力で叩かれたぞ。誰だ?


美咲じゃないよな。誰なんだよ!



【このタイミングじゃないよ。元の世界に戻るんでしょ。私がいなかったらどうなってたと思うの!】


この声は、


る、る、るいさん!!今までどこに?



【るいさん、心配していたんですよ!それに何でここに?】


美咲も、


【えっ?本物のるいさん?】


間違いなく、るいさんだ。



【何言ってんの?二人とも。私のこれで、さきと通信出来てるの。はるとくんのはバッテリー🪫切れ?バージョンアップしてないの?】



凄く心配していたんだよ。るいさん。


無事だったんだね。ここにいるんだね。


ほんと良かった〜安心した。



視線…かなり鋭い視線が…これは、美咲。



【裕二〜良かったね。愛しのるいさんが無事で。しかも好みの格好じゃない?ショートパンツにタンクトップにショートカット…


何、何、離してよ、てめー、裕二…むぐぐ…ば…な…せ】



黙ってくれ、美咲。聞こえちゃうぞ。



【何2人して戯れあってるの?次のタイミングで行くよ。それともここに残るの?】


【行きます、帰ります。るいさんと一緒に。お願いします】


美咲、面倒だから少し黙っててくれ。


【裕二…なに…勝手に…あー、離してよ、もう!】


※ガブッ!!※ うぎゃー!!


美咲、思いっきり噛みついてきやがった!


【いてー、お前本気で噛みついたな!】


【裕二が離さないからじゃん!息出来なかったじゃん!】


こいつ、ピラニアか。歯形がくっきりと。


【そろそろかな?しっかり私につかまって】


るいさんにつかまるの?そんな、いいのかな?


るいさんは、手で引っ張って、


【ほら、裕二くん。私にしっかりつかまって。途中で落っこちるとどこ行くか解らないよ】


【だってさ、裕二くん〜❤️るいさんのバディにちゃんとつかまってね〜】


こいつ…


【美咲、うるさい!じゃ、お願いします】


るいさんの腰に捕まり、


や、柔らかい〜それにいい匂い。


【裕二、良かったね〜愛しのるいさんだよ】


 美咲は完全に作り笑顔。この様子では後が怖い。


【来た!行くよ。2人とも衝撃に備えて】















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