第41話 ここは?
【何、何、何?ここはどこなの?訳わからないよ、空港を出て、タクシーに乗って、えーと、その後何か光が差し込んで目をつぶって】
私はどうなったの?なんかこの街並、雰囲気が違うような。確か受験に来た時はもっと新しい建物ばかりだったと思うけど。
それに、途中のあった映画館、随分古いの上映していた。さほど人気あったような気がしないけど、この街ではではそういうのも上映するのかな?
知り合いもいなくて、不安だけど、経験で人は成長するもんね。
とりあえずアパートの鍵を貰わないと。
【すみませーん、今日から部屋に入る浜風ですけど、鍵を取りに来ました】
【はい、少々お待ち下さい。浜風さんね。名前も教えていただけますか?】
【あっ、浜風美咲です】
【えーと、今日ですか?契約にないのですが?保証人様はどちらに?】
【えっ、契約してないんですか?もう、お母さんもお父さんもだらし無さ過ぎ。ごめんなさい、今確認します】
ほんと、あれ程言っておいたのに…あれ、繋がらないや。もう、今日は家にいるって言ったのに。
あれ、変だな?呼び出し音すらならない。壊れちゃったのかな?
圏外じゃーん、もう、ここ電波入らないの?受験では普通に入ったのに。
【すみませーん、電話借りてもいいでしょうか?圏外で入らなくて】
【どうぞ。ご遠慮なく】
もう、ついてない…引越し初日から、何でこんな。あれ、呼び出してるのに出ない。
【すみませんでした。大学行って後からまた来ます】
【では、こちらに連絡を。18時以降は留守電になるのでご注意ください】
裕二に電話してみようかな。なんか不安になってきちゃった…
うーん、駄目駄目駄目。祐二はユキさんと付き合ってるんだった。安易なことで連絡はよくないね。
裕二にはユキさんのような人が合ってるよね…私は身を引いたけど、本当は今でも未練あるんだよね…
それにしても、おかしいな。ここ。
大学の別棟、工事していたっけ?
【すみませーん、今年からお世話になる浜風ですけど、ちょっと確認したいことが】
【浜風さんね、ちょっと待ってね。えーと、名前は無いですね。どちらの学部ですか?】
【経済学ですけど、何で登録されてないんですか?間違いなく合格しましたよ】
【んー、登録ミスなんて滅多に無いんだけどな。再度確認しますね。ちょっとそちらでお待ちください】
あーあ、もう、ついてない。
この経済誌、古すぎたよ。こんなの置いてるの?この話題はだいぶ前の。
なんか違和感あるんだよね〜
そもそも圏外ってのもおかしい。携帯、繋がらないなんてあり得ない。新しい機種なのに。
ここの新聞って、古っ!こういうの集めてるの?経済学だからってこと?3年前じゃん。普通に置いておくなんて。
3年前って、そう言えば裕二とのたくさん思い出あったね。あの夏が一番忙しくて、楽しくて、最高だったな〜
裕二とは大学のこともあるけど、友達に戻ってからはあまり会ってなかったもんね。
会いたいな〜まだ好きなんだよね、本当は。
それにしても、まだ入学確認出来ないの?
【お待たせいたしました。やはり登録されていませんね。事前にお送りした学生証お持ちでしょうか?】
なんだ、先に言ってよ。
【はい、これで。来週の入学式のことで…どうかしましたか?それ学生証ですよね?】
【あの〜とても言いづらいのですが、デザインも違うし、そもそも入学年が何故3年後なんでしょうか?】
3年後?私の入学は?どうなってるの?
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