第40話 JP

 ユキさんに詳しく話を聞くために時間をもらい、ユキさんは、コーヒー☕︎を入れてくれて、向かい合って座ってくれた。


【そっか、かなり詳しく聞いたんだね。私達はあの研究所の社員だったの。私は体調のために退職して、あっ、これ時空の狭間のことね。JPじゃないからそれを利用しないと移動出来なくて。ちょっと無理しすぎてね】


 やはり過去や未来の話と繋がるんだな。JPってさっきから何なんだ?それよりも美咲について知りたいんだ。


【それ本当なんですね。美咲は何処に?】


【私は辞めたから解らないけど、なんかJPという特殊な能力ある人は何度も行き来出来るみたいなことみたい。るいもその能力者。私がいる頃は詳しく解らなかったけど、凄く特殊な能力で僅かな時空の歪みに入るとその能力が発動するんだって。美咲ちゃんはその能力の持ち主なのかも知れない】


【美咲は無事なんですか?連絡も何も出来ないんです。美咲に何かあったら俺は、俺は…】


ユキさんは、パニクる俺を抱きしめて、


【大丈夫。みんな必死に考えてくれてる。どうしてもって場合は私が行く。美咲ちゃんは私にとっても妹みたいな感じだったから】


【これリスクあるんですよね?ユキさんを無理させる訳にはいかない。何もかも解りませんがその、俺が行くとかの方法で、美咲の場所に】


ユキさんは、頭を撫でてくれて、


【私が寂しいって思って付き合ってくれたんでしょ。解るよ。優しい君のことだから。本当は美咲ちゃんのこと忘れられないでいるんだね。美咲ちゃん、居場所解ったら迎えに行く?それが戻れない場所だったとして覚悟あるの?】


【ユキさんには申し訳ないけど…美咲のこと】


話を遮って、手を口に当ててきて、


【その先は言わなくていいから】


 ユキさんのこと、いい加減な気持ちで付き合った訳ではなく、本当に好きに。ごめんなさい。


 美咲のこと、聞かされる前まではユキさんとの未来を本当に考えていたんだ。美咲を忘れること出来なかったとしても。


 ユキさん、その気持ちに気がつかないふりをしていてくれたのかも。


駄目だな、俺。ユキさんの気持ちをもっと…


【あの研究所見たでしょ?探してくれているから、もう少し待ってみて。大丈夫だから、見つかるからね】


【ユキさん、ごめん。美咲のこと…】


【私は裕二くんの姉です。そう思ってくれていいからね。それにこんな優しいお姉さんなら嬉しいでしょ?😝】


【もちろん、素敵だし、嬉しいですよ】


【ありがとう。さっきの説明でJPって言ってたのはタイムトラベル出来るジャンプのことね。もし時空の狭間と関係なく出来たなら美咲ちゃんはとてつもなく強い能力を持ってるから。そんな強い娘なんだから絶対に大丈夫】


 ユキさん、あなたの言葉はどうしてこんなに響くのかな?安心して眠くなってきたよ。


少しだけ寝ていいかな?甘えていいかな?


【少し休んで、今日までは君の彼女だよ、私】


 ユキさんに膝枕してもらって、ユキさんの語りかける声だけが聞こえてくる。


【過去や未来は私達の関係性も変わるとはず。何よりも、みんな存在していてくれたならそれで充分。関係性が変わってしまっても私は君のことずっと見守るからね】


ユキさん、眠りながら聞こえてきたよ。


 本当に素敵な人だ。でも、俺は今、美咲のことが心配で心配で、本当にごめん、ユキさん。



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