第39話 研究所

 にわかに信じがたいことが。こんな話を聞いて信じられるほうがおかしい。


【裕二くん、理解できたか?全てとは言わないが、ある程度は信じてくれないと。この先ついていけなくなるぞ】


はるとさんの説明では、


 はるとさんは、未来に行っていたという。映画とかゲームじゃあるまいし、あり得んだろって思うけど。


 その理由は、るいさんを救うためだと。だとすると、るいさんも未来にいることになる?


 あり得ないって。タイムトラベルなんて不可能なんだからさ。


【信じても信じなくても、別に。それに美咲のことは関係ないって。もう彼女はユキさんなんです】


【それはそれでいいが、美咲ちゃんとは連絡とれるのか?無理だろ】


 確かにこんなに返事が来ないってことは…連絡してみても繋がらない。それに、必ず返事はくれた。そうなると確かに心配になってきた。


【はるとさん、美咲のことで何があったんですか?教えてください】


【もう着いたから。ここで話す】


研究所って言われている場所に。


何なんだ、この規模の施設は?


入ると女性が近づいてきて、俺に名刺を。


【責任者のさきです。はると、この男の子?例の元カレって?全て話して大丈夫?】


【はい。それと能力のことは話していませんので追加で説明お願いします】


 さき、と呼ばれている女性とはるとさんの会話。能力とか訳わからないことを。美咲とどう繋がるんだ?少しは解るように説明してくれ。


【裕二くんね、私は簡単にいうとタイムトラベルについて研究してるの。身近なことで言えばあなたの働いてるお店から無人島に行って立ち入り禁止区域あったの知ってるよね?あの場所は過去や未来への入口なの】


 思い出した。その無人島の近づいてはならない場所入ろうとして、はるとさんに叱られた。


【ここにはその場所を応用したものがあって、ある程度推定した場所に移動出来るの。あっ、移動って過去や未来にね】


 ここまで大掛かりに騙すことはないだろう。嘘ではなかったんだな。はるとさんや、ユキさんの話は。で、美咲は?


知りたいのは美咲のことなんだよ。


【あの、さきさん、解りましたけど、美咲は?そのことでここに。過去や未来と美咲がなんの関係があるんですか?】


【美咲ちゃんって、未来のこと見えなかった?例えば勘がいいとか、そういうことも含めて】


【そう言えば、数分先のこと解るとか言ってましたけどね。信じてなかったから。勘がいいって言われて気がつきました。確かにそんな才能あったように思えます】


はるとさんが、さきさんに近づいて、


【やはりJPなんじゃないかな?それも数分ならかなりの高能力者の】


【るいと匹敵もしくはそれを上回るってことだとすると、困ったな〜】


【俺、行けます】


【駄目だって。JPじゃないでしょ。回数制限あるでしょ。こうなったら私が行く】


【さきさん、統括が外す訳には…】


何2人で話してんだよ。説明も無しにさ。


暫くして、さきさんは今度は俺に、


【裕二くん、美咲ちゃんは時空を外れた可能性があるの。さっき、このシステムに反応があって。あっ、美咲ちゃんも裕二くんも登録してあったから解ったんだけどね】


【なんで登録されてるんですか?美咲と俺はユキさんのバイトしか…そのバイトの時の契約のあのシステムですか?タイムカード変わりの】


 気にしては無かったが、あの店に入るとゲートを通過してそれがタイムカード代わりとなっていた。


【勘がいいね。ちなみに君はJPじゃない。とにかく美咲ちゃんのために考える。美咲ちゃんから連絡あったらすぐ教えて】


 消化不良だ、説明が難しい。解らないこと多すぎる。


俺は、研究所のバイクを借りて戻ることに。


 美咲、メールの返信も連絡もない。もちろんこっちからの電話も繋がらない。


不安になってきた。時空の狭間と過去と未来。


とりあえず、ユキさんのお店に戻り、話を。


今日は臨時休業になってる。なったのかな?


ユキさん、助っ人いるって言わなかったかな?





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