第16話 洞窟

こんなに温度下がるんだ。これ寒冷前線だな。


【何だ?あれ?】 


 俺は不思議な感覚に、それに、美咲、見たことない真剣な表情…あの渦何か惹きつけられるな。


【近づかないで、裕二!!】


【解った…美咲、手を】


【うん】


これは何かあるな…こういう直感は信じよう!!


凄い☔だな。ライフジャケットだけじゃ寒い。


【美咲、こっちおいで】


※ギュ※


寒い、洞窟って、夏なのに寒い。



……………………………………………………………



【裕二くん〜美咲ちゃん〜】


ユキさんの声だ。近い。


【ユキさん〜こっちです】


【美咲ちゃん?もしかして洞窟?すぐ出て!!】


 慌てて飛び出した俺達は、ユキさんに引っ張られて、


【大丈夫!!何も触れてない?】


【ユキさん、何かあったよ。不思議なもの】


【絶対に近づかないで!!とりあえず戻ろう】


何かあるのかな?


【美咲、寒くない?ユキさん、何か羽織るものありますか?】


【あっ、これ持ってるけど、裕二くんは?】


【俺は平気です。美咲に】


※ヘックション!!※ 俺も寒いな…


☔雨止んだ。凄い豪雨だったな。


【はるとくん、見つけたよ。戻ります】



……………………………………………………………



【二人とも無事に戻ったね。良かった〜】


俺達だけ?他にいなかった?


【はるとくん、みんなは?】


【先に帰ってもらった。助っ人呼んで来てもらったから】


はるとさんに迷惑かけたか…


【すみません、俺達が勝手に】


【何処にいたの?】


【洞窟に…】


はるとさん?険しい表情になって、


【ユキから聞いてなかった?】


【聞いてました…】


【何かあってからじゃ遅いんだ!!】


なんだ、この剣幕は…怖いぞ。ユキさんが間に、


【はるとくん、こうして無事に…いいじゃない】


【そんな単純な話じゃないんだ!!ユキもしっかり伝えてのか!!もういい…帰るぞ】


【美咲ちゃん、裕二くん、私とはるとは先に戻るけど、せっかくだからゆっくり帰ってきて。はるとは心配して怒ってるだけ。言い方悪くてごめんね。】



……………………………………………………………



ジェット: 美咲&裕二


【はるとさん、怖かったね】


【大人しい人だから余計にな。何だってあんなに】


【🌈が出てきてる。もう少し走らない?】


【ああっ、そうしようか】


【裕二…彼女だよね?私…】


 美咲が落ちないようにしがみついてきてるが、それよりもさらに強くしがみついて…


【もちろん。ここに来て美咲の知り合いの女性と話す機会があったけどさ、俺も慣れてないからドキドキしていたのは認めるよ。ごめん】


【話すくらいでヤキモチ焼く私がいけないね…】


【俺もはるとさんと美咲が話しているとムカついたから同じだね】


 二人して少し笑って、🌈、海、空のコントラストを見つめながら、



【美咲、好きだよ】



【私も裕二のこと…大好き!!】



【俺のほうが大好きだけどね】



仲直り出来て良かった。


美咲との信頼関係が完全に出来上がったようだ。


少し自信持てるようになったな。


この夏にはいろいろ教えてもらった。


この夏を忘れない…いつまでも…


by 羽村裕二



※ププッ!!※ 美咲?笑われた?声に出してないのに。



……………………………………………………………



【………そういうとこあるよね〜裕二って………】


【えっ、何?なに?】


【何かさ、自分に酔いしれてるよね〜】


【何?俺は何も…読心術も持ち合わせてるの?】


【そんなのさ、なくても解るの!!裕二のことは】


んー、それってさ、前にも。


【美咲はさ、俺のことは全て解るんだ〜みたいなこと言って、実は嬉しいんだろ?俺にも解るよ】


美咲は慌ててるようだ。後ろで見えないが…


【な、そ、な、そ、そ、そんな…痛っ!!】


あー、噛んじゃったよ。美咲、図星だったな。








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